フィンテックトレンドの昨日
2016/02/01
Eiichiro Yanagawa
極寒のソウルで、フィンテックのトレンドを議論しました。
カンファレンスでのプレゼンテーションに加え、業界ソートリーダとの議論は、2015年にグローバルに、そして日本で起きた事柄を総括する格好の機会となりました。
カンファレンスでは、以下の事柄を発表し、多くの反響を呼びました。
1. フィンテックの背景
- 投資と事業機会
- 年間100億$の投資規模
- 未開拓事業は数兆$規模 - 金融機関の戦略
- 自己資本投資
- イノベーションラボ、アクセラレーター - 重要テーマ
- 規制
- テクノロジーとアーキテクチャの拡張 - 融合の意味
- テクノロジーが金融を溶かす
2. ブロックチェーンの本質
- アーキテクチャとキー・パーツ
- 分散と共有、自動執行
- トークン、共通帳簿
- 独立執行型トークン暗号化 - スタートアップと金融機関の戦略
- スタートアップのコンソーシアム
- 金融機関の市場インフラ - 資本市場への適用考察
- ビックバンへの道筋
- 従来型モデルの課題と克服策
3. 金融サービスの行方
- 顕在化している事柄
- デジタル対応
- 不便不都合の解消 - 陰に潜む本質
- グローバルとローカルの鬩ぎ合い
- 標準と個別の鬩ぎ合い
- パンドラの箱が開く時(新需要の契機) - 地殻変動の予兆
- 市場インフラ
- プレーヤズ・ランドスケープ
- ソーシングモデルの新常識
個別に面談した、業界ソートリーダとの議論では、以下の事柄を提唱しました。
- 何をすべきか?
- 投資と事業機会の活用
- 需要と供給のミスマッチを発掘
- 新テクノロジーは新アーキテクチャの下で - 何をすべきでないか?
- レガシーモデルの再生産
- 旧市場の争奪線
- 事業とテクノロジーの独占(独り善がり)
そして、セレントが構想する、このような「金融未来図」を議論しました。
それは、既に稼働している「金融市場インフラ(FMI)」をレガシー(伝統的な、現職の)システムと呼称した場合、新たなテクノロジーによる「新インフラ」は、
- レガシーが保証する、堅牢な社会インフラ基盤を有効活用する
- レガシーに培った、データ、資産、経験との連続性の享受する
- レガシーによる、新旧事業者の参入撤退の自由度を確保する
つまり、レガシーの活用、共存共栄を前提として、新たな、
- プラットフォームのレイヤ:新たなルールの形成
- イノベーションのレイヤ:新たなサービスの創造
を可能とする、「APIエコノミー時代」のAPI提供者を意図します。
そこでは、金融機関は、製造、小売、流通などの産業界とインフラを共有し、B2Bのみならず、B2C、つまり生活者の生活情報、非金融情報もAPIを通じて、流通可能とする、いわば、テクノロジーが「金融を溶かした」青写真を想定しています。
如何ですか?ご一緒に、金融の未来図を構想しませんか?セレントは常に、その議論の触媒(カタリスト)で在りたいと願います。
この続きは、東京で!
セレント アナリスト&インサイト・デー | February 24, 2016