邦銀への示唆 ― 好循環を創り出すために

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2020/03/18
Eiichiro Yanagawa

テクノロジーが加速するコーポレートバンキングの進化(最終回)

コーポレートバンキングは進化のタイミングにある。テクノロジーの先駆者である大手金融機関だけでなく、デジタルの巨人やフィンテックとも効果的に競争するには、コーポレートバンキングは段階的かつ急速な進化を遂げる必要がある。プロダクト・セントリックなアプローチを止め、カストマー・セントリック、つまりワークフローを再考してカスタマージャーニーを改善するアプローチを採用する必要がある。ペーパーベースのプロセスをデジタル化し、直観的な意思決定からデータ分析を最優先に移行するために、顧客に対してより積極的な働きかけをする必要がある。

セレントは新レポート「テクノロジーが加速するコーポレートバンキングの進化:アジア太平洋地域の動向と邦銀への示唆」で、コーポレートバンキングが3つの側面で優れた成果を上げる方法について考察した。

  • コーポレートバンキングの成長戦略
  • 中小企業(SME)バンキング― アジア太平洋地域の事業機会
  • 次世代コーポレートバンキングへのステップ

本稿は、4回シリーズでそのエッセンスを紹介する、最終回である。

***

進化のための好循環を創り出す

結論的に、ほとんどの邦銀にとって、図にあるようなサイクルで、繰り返し、繰り返し、コーポレートバンキングを強化するための戦略を開発および実行することは、単独では困難である。

最大の課題は、社内の上級幹部に、コーポレートバンキングの組織全体で卓越性を達成するための包括的なアプローチを優先させることかもしれない。多くの場合、すべての事業部門およびサポート部門がパラダイムシフトを受け入れることは困難であろう。内部組織のサイロに帰着し、新しいチームダイナミクスと制御の変更は容易ではない。

一方で、先鋭的なコーポレートバンクは、デジタル化を率先することで、他の挑戦者や新規参入者に先んじて優位に立つことが可能だ。一部の先鋭的な銀行は、すでに比較的大きな顧客基盤を持ち、データ収集、送金処理、紛争解決、支払い、調整の専門知識を堅持している。そして、一部の銀行は既にデータ分析と人工知能の先駆者である。さらに、クレジット商品とリスク分析スキルを活用し、運転資金の融資オプションなどの先進的なサービス提供を開始している。

アセットを活用し、エンリッチメント、エンパワーメント、エンハンスメントに優れたこれらの銀行は、1兆ドル近くに及ぶグローバルコーポレートバンキング収益プールの、圧倒的なシェアを獲得する可能性がある。つまり、ここでも他産業同様なデジタル・デスラプション(グローバルレベルでの、winner-takes-all(勝者による利権の独占))の兆しが見える。邦銀は、そうしたベストプラクティスに学び、自らの強みを最大限に生かした独自のバリューチェーンを再形成するタイミングにある。そう、Jeff Bezos が毎年の株主報告に書くように、顧客の声を傾聴することから始めるべきだ。

Teams all across Amazon are listening to customers and wandering on their behalf!

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