クラウドへの移行:レガシーシステムの何を継続すべきか?
東京金融情報/ テクノロジーサミットを振り返り:Part 3
東京金融情報/ テクノロジーサミットは、金融機関のIT、データおよび営業担当エグゼクティブが一堂に会する、日本では唯一のイベントである。本年の会議アジェンダは以下の重要テーマを含み、ITおよびデータ管理を担当するエグゼクティブ、ソートリーダーをパネリストに迎え、データとテクノロジーが革新する日本の金融業界の未来を議論した。
- テクノロジーリーダーのスポットライト:ITとビジネスのグローバルトレンドとユースケース
- データリーダーのスポットライト:バイサイドのデータ・アナリティクスとAI/ ML
- 投資家のスポットライト:投資意思決定とプロセスの自動化
- トレーディング・パネル:オペレーションのアルファの創出―変化への対応力とコスト効率を両立するには?
- リモートワークと新しいオペレーションモデル
- テクノロジーのクラウド移行:レガシーシステムの何を継続すべきか?
セレントは、4つのパネルディスカッションにおいてモデレーターを務めた。
クラウドへの移行:レガシーシステムの何を継続すべきか?
パネリスト
- 市岡 真之 氏 | ゴールドマン・サックス証券、ゴールドマン・サックス・バンクUSA 東京支店 業務部部長
- 市川 宜 氏 | SMBC日興証券 グローバル・テクノロジー部 副部長
- 木村 通利 氏 | 日本マスタートラスト信託銀行 業務企画推進部 ビジネス開発グループマネージャー
今年のTFITSインパーソン・カンファレンスのクラウドパネルは東京の資本市場における3人のクラウドテクノロジーリーダーを迎え、クラウドテクノロジーの計画から構築、運用に至る実装経験に基づく、フロント/ ミドル/ バックの多様な業務部門のイニシアチブをクラウドで加速する取り組み、その可能性と課題について議論した。
パネルアジェンダ
- 日本のクラウド移行状況:規制、費用、レガシーITへの考慮事項は?
- ハイブリッドクラウドアプローチ:どのようなバリューを獲得するか?
- データ活用戦略への影響:クラウドがもたらすインパクトは?
パネルの冒頭で、セレントは金融クラウドのグローバル動向を報告した。
モデレーター・キーノート:「クラウドへの移行:レガシーシステムの何を継続すべきか?」
1. 雲の彼方のテクノロジーへの期待
- クラウドコンピューティングの3つの「アズ・ア・サービス」モデル
- 金融機関におけるクラウドテクノロジー導入の実際:ハイブリッドアプローチ
- クラウドへの移行に関して考慮すべき7つのキーポイント
- 金融機関とクラウドプロバイダーの管理責任の分担
2. クラウド都市伝説
- パブリッククラウドはオンプレミスより低コスト?
- クラウドはオンプレミスより 安全性が低い?
- 誰かが「フェイルファースト」を経験したあとで追随すべき?
- 有力なクラウドプロバイダーを見極めるまで導入は見送るべき?
- クラウドのユースケースは ビッグデータに限られる?
- クラウドのための社員教育やスキルアップはコスト負担が大きすぎ?
- クラウドを活用するためにはオープンソースツールが不可欠?
時代はクラウドへ、大きく前進した。金融機関におけるクラウドコンピューティングの導入は正に加速している。金融機関はコンプライアンス、エコシステム、リスク、セキュリティなどの問題に対処する方法を評価し、ビジネスニーズを満たすために、どこにどのようにクラウドコンピューティングを導入するかを決定しようとしている。
金融機関は、もはや「クラウド化すべきか」とは問わない。彼らが問うのは、「いかにしてクラウド化するか」ということ。しかし、そこに素朴な疑問が今だに残ることも事実である。セレントはそれを「クラウド都市伝説」と呼称する。クラウドプロバイダーがその製品・サービスを垂直化する今、そこで何が起きているのか、金融機関がその真実を知る機会は重要である。
本基調講演では、セレントのクラウド・リサーチソースからベストプラクティスの要諦と、クラウドの都市伝説の一部を議論した。