財務管理システム(TMS)の将来像:コストセンターから収益センターへの大いなる変化 【全訳版】
Abstract
(このレポートは2013年10月28日に"Alignment of Treasury Management System Stars: Significant Change Is Upon Us" というタイトルで英文で発表されましたが、和訳版を2014年4月4日に発行しました。)
財務管理システム(TMS:トレジャリーマネジメントシステム)は、銀行の業務、規制、商品および顧客ニーズに関する多くの課題を解決する鍵となりえます。トランザクションバンキング、キャッシュマネジメントといった顧客の新たなニーズに応じて、ビジネスモデルや戦略の修正に成功できれば、収入が金融危機前の水準まで回復するだけでなく、2015年には25%を超える増収も期待できます。
セレントの最新レポート「財務管理システム(TMS)の将来像:コストセンターから収益センターへの大いなる変化」は、規制で義務付けられている流動性の確保を中心に、安全な銀行運営を確立する上で、財務管理システム(TMS)の担う役割について論じています。FX取引や、中小企業のトレードファイナンスの急拡大によって、事業環境には変化が生じ、そこには同時に、銀行にとって、財務管理システム(TMS)を活用するチャンスが潜んでいます。
銀行は、サービスの一元化やコーポレートバンキング部門とキャピタルマーケット部門の勘定系システムの機能統合、また周辺機能の統合を通じて、スケールメリットを得られ、また、財務システムを一元化することで、市場参加者それぞれのニーズに対応可能な商品の開発を加速できるでしょう。
「財務管理システム(TMS)プロバイダーは、FX取引の拡大を原動力として成長してきました。市場拡大に伴い、自社製品に新たな資産クラスを追加するTMSソリューションプロバイダーもでてきています。その結果、コーポレートバンキング業務とキャピタルマーケッツ業務をさらに統合させたソリューションも登場しています」と、セレント銀行グループのシニアアナリストでレポートを執筆したロバート・マンチーニは述べています。
レポートでは、トレジャリーマネジメント市場の発展、財務管理サービスがいかに顧客との粘着性を向上させるか、財務管理システムをめぐる6つの重要なトレンド、トレードファイナンスにおける中小規模銀行の躍進、財務システムとキャッシュマネジメントおよびリスク/ポジションモニタリングシステムの連携をいかに進めるべきか、等について論じています。これらのトレンドから、財務管理システムの主要ITプロバイダーの多くは、ターゲットを大手銀行から、今後成長の見込まれる中小規模の銀行へとシフトさせつつあります。