現在、投資セクター全体を巻き込んだ長期的な議論のテーマとなっているのは「アルファ創出」、「コスト削減」、現在進行中の「投資バリューチェーンのデジタル化」である。短期的なトレンド(規制、価格設定/手数料引き上げ圧力、インパクト投資など)を別にすると、既存のバイサイドの金融機関が長期的に最大のディスラプションをもたらすと考えるテーマは、テクノロジーとデジタル化である。
投資運用会社とソリューションプロバイダーのコンバージェンスはもはや現実となっている。一方で、今問われるべきは次の点であろう。
- 今後どの程度までコンバージェンスが続くのか、それはどのような形をとるのか?
- 「エンド・ツー・エンド」ソリューションは、「ベスト・オブ・ブリード」アプローチに取って代わるのか?
- デジタル化の成果はいつ、どのように現れるのか?
本レポートでは、投資テクノロジーを取り巻く状況が将来どうなるのか、ソリューションプロバイダー間の競争は投資運用会社にどのような影響をもたらすのか、2030年までの10年間に市場を動かす/揺るがすプレーヤーがいかに進化を遂げて投資業界の「業務基盤」を形成していくのかについて、長期的な視点から占ってみたい。