これまで照合プロセス/テクノロジーは「バックオフィス」の問題と見なされ、十分な投資が行われてこなかった。だが、ここ10年間にマニュアル作成のスプレッドシートはベンダー製の自動アプリケーションに取って代わられ、SaaSモデルとアウトソーシングに注目が集まっている。コロナ禍とそれに伴う市場のボラティリティによって業務プロセスの非効率性が一層浮き彫りとなり、照合プロセスの重要性に注意が向けられるようになった。
店頭(OTC)デリバティブのような複雑な金融商品への投資拡大を背景に、より高度な照合ツールへのニーズが高まりつつある。にもかかわらず、資産タイプごとに使われるソリューションが細分化している状況は変わっていない。現代的なテクノロジーの登場は照合プロセスに変革をもたらしており、AI、マシンラーニング、分散型台帳技術(DLT)などが現状を大きく変えようとしている。こうした進歩は照合プロセスにおける効率性、正確性および透明性の向上を促し、金融機関のリスク管理の改善やコスト削減につながる可能性がある。
本レポートでは、現在入手可能な多数の照合システムを紹介している。機能の拡充とテクノロジーの改善が進んだことで、キャピタルマーケットに参加する金融機関が自社のニーズに応じたシステムおよびベンダーを選定する際に、幅広い選択肢が確保されている状況は続いている。
照合プロセスや本レポートで取り上げたソリューションプロバイダーについてより多くの基本的な情報を知りたい向きは、セレントの他の2つのレポート(「Reconcilable Differences: A Primer と「Revisiting Reconciliations in the Capital Markets」)を参照されたい。