中南米市場への参入:HSBCのケーススタディ
2008/09/03
イザベラ・フォンセカ
Abstract
中南米の金融セクターはここ数年で様変わりしつつあります。同地域に進出している金融機関はまだ少ないため、将来的に確実な成長が望めるでしょう。
セレントの最新レポート「中南米市場への参入」では、グローバル銀行であるHSBCがいかに中南米市場への進出を成功させたかを検証しています。 HSBCは、マス市場/マス富裕層から超富裕層に至るあらゆる顧客レベルに対応する商品およびサービスを取り揃え、できる限り市場シェアを拡大する戦略を展開しました。
中南米市場における同行の成長戦略は以下のステップに基づくものです。
- Grupo Banistmoが行う業務をスムーズにHSBCの業務に吸収する。
- 事業間の成長を活用する。
- あらゆる顧客セグメントに対応できる新たな事業部門を設立する。
- 最高レベルの顧客サービスを提供し、競争上の優位を確立する。
「中南米地域が安定するまでには今後も困難な道のりが予想されるものの、同地域は引き続きグローバル銀行に事業拡大の機会をもたらすでしょう。また、より 有効な投資先の発掘を迫られている銀行は、中南米市場の将来性に注目してきました。そうした銀行が進める戦略の成果を判断するのは時期尚早ですが、今回の ケーススタディは、この地域における基盤確立を目指す他の銀行が参考とすべき成功例といえるでしょう」と述べるのはセレントのシニアアナリストでレポート を執筆したイザベラ・フォンセカです。
レポートでは、中南米に進出するグローバル銀行の戦略のカギとなる要因を特定するため、対象をコスタリカ一国に絞って詳しく分析しています。同国は人口 440万人の小国ながら経済レベルが高く、HSBCはここ1年同国を主なターゲットとして市場参入を進めてきました。本レポートは同行の地方組織の変革 や、同市場に既に参入している地元および外資系銀行に対抗するための事業およびテクノロジー戦略を明らかにしています。
本レポートは7図および8表を含む26ページで構成されています。