今年で16回目となるセレント・モデルバンク・プログラムでは、銀行業務の成功に欠かせない分野におけるテクノロジーを利用したベストプラクティスを評価し、金融機関を表彰する。この賞の目的には祝福と教育の側面がある。なぜ祝福か、それは新聞の見出しにもかかわらず銀行業界には称えるべきことがたくさんあるからである。世界中の取り組みによって、顧客の生活は向上し銀行の価値提供は豊かになっている。しかしこうした話はメディアの「危機誘導」の中に埋もれてしまう。なぜ教育か、それは金融機関が他行の成功から学ぶことがたくさんあるからである。セレントは実用的なインサイトを伝えるべく、長年にわたり何百件ものケーススタディを紹介してきた。本日は、2023年のモデルバンクを発表するとともに、多数のケーススタディのほか、今回の受賞を成し遂げた多くのプロジェクトスポンサーとの事前に収録したインタビューを公開する。

まず、今年のモデルバンク・オブ・ザ・イヤーに輝いたのはインドのムンバイに拠点を置くICICI Bankである。セレントはICICI Bankが過去数年間に市場にもたらした複数のテクノロジーへの取り組み、実際にはそれらのうちの6件について評価している。3件は同行のクレジットカード事業をサポートし、3件は同行の法人向け財務サービス顧客をサポートしている。セレントはこれらの取り組みの詳細が分かる二つのケーススタディを公開している。このアワードのPart 1では、ICICI Bankがカード利用者のライフサイクルのデジタル化を進めたことが評価されている。ICICI Bankはクレジットカード利用者を対象とし、強固なデータセキュリティとコンプライアンス管理を備えた、デジタルオンボーディング (本人確認を含む) からクレジットカードの使用と支払いのシームレスなユーザー管理をカバーする、エンド・ツー・エンドのデジタルソリューションを開発した。同時に、クレジットカード利用者からのリクエスト処理をさらに自動化し、ユーザーエクスペリエンスと業務効率の向上を目指す一連の取り組みを開始した。例えば、完全な対話形式である対話型音声応答 (IVR) システムや、受信メールに対する応答の自動化などである。

これらはそれ自体が賞に値するものだが、ICICI Bankは法人向け銀行業務の革新にも余念がなかった。ICICI Bankは、新興企業向けの包括的なポータル、リードの特定とクロージングを行う社内ソリューション、国内貿易取引を管理するエンドツーエンドのソリューションなど、さまざまな側面からテクノロジーを活用してトレードファイナンスサービスを強化しており、他の銀行が見習うべき素晴らしい模範を示している。

そのほかに、モデルバンク・アワード2023を受賞した12行の金融機関とその取り組みも紹介し、各機関のケーススタディとインタビューへのリンクも掲載している。

上記のリンクを掲載したケーススタディは、受賞したプロジェクト毎に1件ずつ紹介しており、セレントのお客様が閲覧できるようになっている。また、2023年バンキングと決済のイノベーションというタイトルのレポートも公開している。このレポートはCelent.comに登録すれば誰でも無料で閲覧できる。また、セレントのウェブサイトには無料で利用できるショート動画のライブラリがあり、受賞した取り組みごとに1本ずつ用意されている。その多くは、プロジェクトのスポンサー自身から話を聞ける内容となっている。ぜひこうしたリソースを十分活用して、これらの機関が実施した素晴らしいプロジェクトから学び、彼らの経験をご自身の組織に生かしていただきたい。