米国における次世代のカードイシュア―・プロセッサー：クレジットカードのチャンスをつかむ準備はできているか？

2023/09/26

Abstract

最近セレントが行った、米国の「サービスとしてのクレジットカード (CCaaS)」における市場機会についての分析により、必要な機能の提供や迅速な構築に取り組んでいるプロバイダーがひしめき合っている状況が明らかになった (「クレジットカード・アズ・ア・サービスの誘惑：米国おける画期的なビジネスチャンスを求めて」参照)。これに続き、今回は「次世代」のイシュアー・プロセッサーを取り上げ、米国におけるクレジット・プロセッサーの優先事項と機能について深堀りする。

この調査研究は他にはないユニークなものである。まず、CoreCard、Galileo、Highnote、i2c、Tallied、Zeta という6社のイシュアー・プロセッサーの詳細なプロファイルをアルファベット順に示す。さらに、MarqetaとStripeについて短いプロファイルを示すが、それらは分析対象には含まれない。今回の調査に参加いただいた企業の皆様には、貴重なお時間とインサイトをいただき、謝意を表したい。

いずれの企業もいわゆる「次世代のイシュアー・プロセッサー」と言える存在だが、重点を置く分野と能力には大きな違いがある。この調査の目的は、参加企業を評価することでも、「勝者を特定」することでもない。各企業を客観的に分析してそれぞれの特徴を明確に示すことである。

各社の詳細はプロファイルは、いずれも以下の同じ構成で示されている。

このプロファイルのセクションの前には、2つのセクションがある。最初のセクションでは、銀行とノンバンク両方とのクレジットカード処理の市場機会をイシュアー・プロセッサーがどのように捉えているのかについて見ていく。次のセクションでは、各プロセッサーの対応について分析し、クラウドの使用、プログラム管理機能、コアクレジットカード処理、顧客エンゲージメントとサービス、プライシングのアプローチといった分野における主な共通点と相違点を示す。以下はこれらのセクションの分析の例である。

クレジットカードを発行する米国の銀行の多くは既存のやり方に満足しており、自社開発のアプリケーションを使うか、大規模なプロセッサーにアウトソーシングしている。しかし変化を模索している銀行に対しては、次世代プロセッサーは次々と実用化されている代替策を提供することができる。したがって、市場にエキサイティングな新機能を提供する次世代プロセッサーは、銀行における従来のクレジットカード処理に破壊的な変化をもたらすと同時に、ノンバンクとの間に存在する新しい「サービスとしてのクレジットカード」の機会を獲得したいと考えている。