新型コロナのパンデミックで幕を開けた2020年代だが、長期間続いた超低金利が終わり、2022年から23年にかけての金利上昇がコーポレートバンキング業界の推進力となっている。金利上昇を受けて多くの市場では純金利収入が改善しているが、一部の市場 (特に米国) では、銀行が新たな資産・負債状況に直面し、混乱が生じている。
さらに、多くの市場ではインフレ圧力も重なったことで、銀行は顧客の獲得と維持が困難になり、顧客エクスペリエンスと商品・サービス提案の両方について改善を図る必要性に迫られている。その結果、コスト上昇圧力が続いているにもかかわらず、IT支出が増加している。
本レポートでは、セレントのテクノロジーのインサイトと戦略に関する調査で得た主要なインサイトを活用して2028年までのコーポレートバンクによるIT支出の見通しを示し、セレントのバンキングIT支出予測モデル2023-2028による主な調査結果を紹介する。対象としたのはフロント、ミドル、バックオフィス別のIT支出と、各グループの主要カテゴリー (デジタルチャネル、リスク、決済など) 別のIT支出である。本レポートでは世界と地域の傾向を分析している。

