セレントは幅広い調査に基づき、ニューヨーク証券取引所（NYSE）の上場銘柄を扱うマーケットセンターの比較・評価を行いました。

レギュレーションNMSが無事施行され、米国株式市場の注文執行クオリティは飛躍的に改善しました。2006年から2008年にかけて取引の電子化が進 み、マーケットセンターにおけるNYSE上場銘柄の注文執行スピードは平均で92%も短縮された上、ほとんど問題も発生していません。

セレントは2007年12月1日から2008年2月29日までに執行された159億件の売買注文を分析し、その内容を最新レポート「2008年ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」にまとめました。レポートを執筆したセレント代表のオクタビオ・マレンジと証券プラクティスのアナリストシャーメイン・リーは、計176の市場参加者を注文執行スピードと受領した注文に対する約定価格に基づいてランク付けしました。

過去に行った調査の結果と同様、注文執行クオリティを決定する執行スピードと約定価格との間にトレードオフの関係は見られませんでした。また、マーケット センターの平均執行スピードの標準偏差は前回調査時の0.85に対して今回は0.14に低下しており、執行スピードのばらつきは収斂しつつあります。一 方、主要マーケットセンターの約定価格の標準偏差は178%拡大しており、クオリティの差は広がる傾向にあります。

マーケットセンターの総合ランキングでは、約定価格のクオリティでBIDS Tradingが、執行スピードではLiquidnetがそれぞれトップにランクされました。

EOB（Electronic Order Books）の中では、ナスダックMCが約定価格と執行スピードでいずれもトップにランクされ、これまでの調査で執行スピードが最も速かったArcaExを上回りました。また、マーケットメーカーでは約定価格のクオリティでATD、執行スピードではKnightがそれぞれトップにランクされています。 NYSEのスペシャリストの中では、 約定価格のランキングでWagner Stott BearがVan Der Moolenをわずかに上回ってトップに立ったのに対し、執行スピードではLa Brancheが最も優れていました。

本レポートは24図と9表を含む全42ページで構成されています。