デジタルサービスに対する顧客ニーズの高まり、テクノロジーの進化、スタートアップ企業の脅威などを背景に、保険会社は変革のペースを速めています。本レポートで詳しく紹介するシナリオプランニングモデルは、保険会社が直面している複雑な状況を明確化する上で参考となるでしょう。また、特定のシナリオに沿って保険の専門家と行ったワークショップの結果も掲載しています。

変化のスピードは速く、一貫性があることから、保険会社は現行の計画策定手法を見直し、シナリオプランニングに基づくアプローチを検討すべきでしょう。一歩先を行く保険会社は、継続的なイノベーションを新たな企業能力と位置付けています。シナリオプランニングは、変革に向けた優先課題をめぐる組織全体のコンセンサスを形成するためのツールとなるでしょう。

「シナリオプランニングに基づく計画策定プロセスは対話形式のアプローチであるため、保険モデルを損害を補償するものから損害を回避するものへと移行する必要性について、広く見解の一致を得ることができます。参加者は、このような変革が不可避であり、近い将来、ビジネスチャンスになり、さもなくば脅威になると感じています」と保険プラクティスのシニア・アナリストであるマイケル・フィッツジェラルドは述べています。

「保険業界は、この世の中がどうなっていくか、またビジネスとリスクの本質について、非常に古い前提に基づいています。それゆえシナリオプランニングは保険会社にとって特に画期的なアプローチといえるでしょう。ここ10年間に吹き荒れたデジタル化の嵐が、こうした前提を変えているからです」と保険プラクティスのシニア・アナリストであるホアン・マツィーニは指摘しています。