2年前のリアルタイム決済に関するレポート以来、業界の認識や理解に関して様々な変化がありました。今、リアルタイム決済インフラがまだ整備されていない多くの国における議論の焦点は、なぜ導入するのかという点から、いつ導入するか、に移っています。単にリアルタイム決済の導入ペースが加速しただけでなく、リアルタイム決済市場やそれを巡る考え方も成熟してきました。リアルタイム決済を単に「スピードアップしたACH」ではなく、根本的に異なる決済タイプと捉える見方が広がりつつあります。銀行はリアルタイム決済の今後の方向性を見極め、それに応じた計画を立てる必要があります。

本レポートでは以下の点について明らかにしています。

「リアルタイム決済は着実に普及しており、未来の決済システムとしての認識が広まっています。今、大規模なプロジェクトを見送ろうとしている銀行は、短期的にはコストを抑制することができても、将来的には高コストの作業の増加を強いられることになるでしょう。最終的には、デジタル銀行を設立する上でデジタル決済システムの構築・統合は避けられなくなるでしょう」と銀行プラクティスのシニアアナリストであるガレス・ロッジは述べています。