ナスダック市場の上場銘柄の多くは電子発注システム（EOB）で売買されており、そのシェアは80%を超えています。主な3つのEOB（ナスダックMC、BATS ExchangeおよびEDGX）の市場シェアは61%と高いのに対し、主な3つのマーケットメーカーのシェアは17%にとどまっています。

セレントの最新レポート「ナスダック市場の注文執行クオリティ」は、2010年12月から2011年2月28日までに執行された210億件を超える売買注文の内容を分析しています。セレント証券グループのシニアアナリストであるアンシュマン・ジャスワルは155の市場参加者について、売買注文の執行スピードと約定価格に基づいて評価・ランク付けしました。

ナスダック市場で上位にランクされた市場参加者は、平均執行スピードと約定価格の改善のいずれにおいても安定的な実績を上げています。マーケットセンターのうちBATS Exchange、EDGA Exchange、ナスダックMC、EDGX Exchange、BATS Y-ExchangeおよびNYSE Arcaが上位にランクされました。

表1は、ナスダック上場銘柄の注文執行に関する総合ランキングを示しています。マーケットセンターのうち約定価格で上位にランクされたのはBNY ConvergEx、LeveL ATSおよびNYSE Arcaです。執行スピードではBATS Y-Exchange、NSXおよびTrack ECNがトップ3に選ばれました。

表2は、主なEOBのランキングを示しています。主なEOBによる約定価格の改善状況を比較した結果、NYSE Arca、EDGXおよびEDGAが上位にランクされました。一方、平均執行スピードが優れていたのはEDGA、BATS ExchangesおよびナスダックMCです。これらの総合ランキングではEDGA、EDGXおよびBATSが上位となりました。

マーケットメーカーではATD、Knight EquityおよびUBS証券が約定価格で上位にランクされました。また、平均執行スピードで高い実績を上げたのはKnight Equity、UBS証券、Pershingです。総合ランキングではKnight Equity、UBS証券の2社が上位にランクされました。

出典：セレントによる分析