保険契約管理システム市場では、ベンダーがより幅広い事業部門や業務に対応できるようソリューションのラインアップと機能を拡充すると同時に、従来からのソリューションについては最新のプラットフォーム上で稼動するよう技術的基盤を更新するなど進化が続いています。SaaS（サービスとしてのソフトウェア）ベースのソリューションについては、その重要性は高まりつつあるものの実際に導入している保険会社はいまだ少ないのが現状です。
セレントは、ソリューションの今後の発展について以下のように予想しています。

• 政府から事業主への裁量権が移行、確定給付型から確定拠出型年金へのシフト、さらには金融危機の影響も加わって退職時の提案や/医療保険商品関連の機能の拡充が進む。
• 新たなプラットフォームやより複雑な投資関連商品の開発に向けてウェルスマネジメントソリューションとの統合が進む。
• コアソリューションの周辺システムで最新テクノロジーの導入が進む。ウェアブルや埋め込み型センサーからの情報を活用した医療保険の提供などについて初期実験が始まる。
• 市場でのアジリティ向上を目指して、地域限定でプライベートクラウドベースのSaaS導入が慎重に進められる。
• 保険テクノロジー分野で市場の縮小/再編が進み、その結果として少数の大規模な地域スペシャリストが生まれる。

「多数の地方企業による激しい市場競争はまだまだ続く見込みです。市場の一部では企業買収に積極的なベンダーやプライベートエクイティによる再編が進むでしょう。その一方で、これからも新たなベンダーがニッチ分野に的を狙って最新テクノロジーを基盤とするソリューションを開発し、次々と市場に参入してくる状況が続くでしょう」とセレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポートを共同執筆したニコラス・ミシェロッドは述べています。

「既存のベンダーは、機能の豊富さだけでなく、最新のプラットフォーム上で稼動可能なシステムであることを確実にする必要があります。10年先を見据えた投資を目指している保険会社にとっては『機能の豊富なソリューション』か『モダンテクノロジー・ベースのソリューション』かのどちらかではなく、両方が必要なのです。調査結果からは市場が成熟しつつある状況が読み取れますが、ベンダーはまだまだ商品を改善したり差別化する余地があるでしょう」と、セレント保険プラクティスのシニア・バイス・プレジデントで本レポートの共同執筆者であるジェイミー・マクレガーは述べています。

このレポートでは、年金・生命・医療保険契約管理システム市場におけるテクノロジーと機能のトレンド、また、今後の発展について分析しています。