セレントの最新レポートは、DTCCの委託を受けてセレント証券プラクティスのアナリスト、 アリン・レイが執筆しました。

中国は、人民元の国際化に向けた取り組みを大きく前進させています。中国や他国の規制当局が政策や市場構造の変化を主導し、大手インフラプロバイダーも巻き込んで人民元の国際化が進んでいます。

人民元の国際化は資本市場のプレーヤーに多くのメリットをもたらします。投資運用会社やヘッジファンドは、リスクを管理しながら、高リターンの中国の資産に投資しやすくなります。

人民元国際化の過程では、課題も発生しています。例えば、取引および決済に関する中国の規則や慣行は国際基準とは大きく異なっており、そうした課題は金融機関レベルで業務上の問題に発展し、非効率性をもたらすことから、国際的なプレーヤーによる人民元の採用が進まない原因になっています。

「地域による微妙な違いに対応する機能を開発することは困難であり、個々の金融機関にとってはコスト増につながります。業界レベルでの市場参加者のより協調的な取り組みや、問題解決に向けた規制当局との積極的な関与・連携が必要でしょう」とレイは述べています。