セレントは、北米の損害保険会社の技術担当役員を対象に、ビジネスの優先課題、IT予算、投資についての調査を毎年実施し、北米だけでなく、欧州・中東・アフリカ(EMEA)、アジア太平洋、中南米の損害保険業界についても同様のレポートを発行している。
セレントは2024年11月から12月にかけて、北米の損害保険会社の技術担当役員を対象にオンライン調査を実施した。調査期間は比較的短かったものの、ビジネスの優先順位、IT予算、投資計画、SaaS導入、オープン保険など、幅広いトピックをカバーした。調査結果は、大企業、中堅企業、中小企業の企業規模別に集計した。調査データの分析には、保険に関するテクノロジーリーダーたちとの対話から得られたインサイトも含まれている。
2025年版のレポートには、現在さまざまな課題を抱えながらも、それらに真摯に取り組もうとする損害保険業界の姿が描かれている。
レポートの概要:
- 2025年における損害保険会社の主要な経営目標は「効率的な成長」であることが分かった。今年の主要目標として成長と業務の合理化を挙げた保険会社は全体の4割を超えた。
- 「IT予算」が依然として取り組みを制限する主要要因であることが示された。会社にビジネス目標達成のための能力やスキルが備わっていても、大規模プロジェクトに関しては予算や処理能力が限られてしまうのが現状である。
- 保険会社は、データへの投資を加速化することを計画しており、2025年の投資をレポーティング機能や生成AIへ充てると答えた回答者は全体の6割近くにのぼった。
- 平均すると、保険会社のIT予算は2024年から2025年にかけてはわずかに増加し、今後も増え続けることが予測される。しかし、小規模会社の予算は、変化しない、もしくは若干縮小するという結果であった。
