銀行業界が長年にわたって悩まされてきた小切手詐欺の問題が、ここに来てさらに大きな脅威となって再浮上しています。

銀行業界を脅かす様々な詐欺行為の中でも、小切手詐欺は依然として特に大きな被害をもたらす問題となっています。米国銀行業界が2002年に小切手詐欺によって受けた被害総額は7億800万ドルに上ります。ただ、一方で小切手詐欺の発見・防止プロセスおよびシステムの導入によりこの約6倍に相当する損失を未然に防ぐことにも成功しています。しかし、犯罪者側は銀行システムの新たな弱点を見つけ出しては次々と新しい方法を編み出しており、他の詐欺行為と同様、小切手詐欺の手口も進化する一方というのが現状です。また、最近の小切手法の改正に伴って銀行側は新たな弱点を抱えることになり、新たな防止策の確立を迫られています。

金融業界は従来の詐欺防止対策を強化するだけでなく、新たな弱点を克服するための新しいプロセスやシステムの導入を求められています。小切手に関する新規制「Check 21」（米国チェック・トランケーション法）の施行、業務効率化および人件費削減の必要性、イメージ文書の増加などを背景にスマートソリューションが次々と開発されています。

「金融機関にとって小切手詐欺は何も新しい問題ではありません。残念ながら、金融機関もその顧客も長年にわたりこの問題に悩まされてきました。しかし、最近では業界における変化によって、これまでにないリスクが発生し、銀行は詐欺発見の技術やプロセスを一部変更せざるを得ない状況となっています」と、セレントのリテールバンキングチームのアナリストで最新レポート「新たな小切手詐欺の脅威に対抗するITソリューション」の共著者であるアリアナ・ミシェル・ムーアは述べています。

「Check 21の施行がもたらす影響には、プラスとマイナスの両面があります。プラス面は、詐欺手段が劇的に制限され、自動詐欺発見ツールの効力が増すとみられることです。一方、マイナス面は、ペーパーベースによる安全確認手段がほとんど使えなくなることです。」セレントのバンキンググループのマネージャーでレポートの共著者であるアレンカ・グリリッシュはこのように説明しています。

本レポートは小切手詐欺の実態を明らかにする一方、詐欺防止のために開発されたソリューションおよび技術のいくつかを紹介しています。各ソリューションの検証に加え、これらのソリューションを提供する様々なベンダーにも注目しています。

このレポートは、詐欺防止担当部門およびIT部門の責任者を対象に小切手詐欺を巡る最新の脅威や被害防止対策およびソリューションに対する理解を促す目的で書かれています。

このレポートは、全40ページから構成されています。