決済の歴史は古く、何千年まではいかないものの何百年にもわたって行われてきており、一般的には「電子決済によって国境を超えた二国間での決済を実践するという課題は克服された」と考えられている。多くの決済ネットワークは40年以上も前から多くの決済ネットワークが存在しており、当時、実際に利用した人も少なくない。しかし、時代は移り変わり、決済をめぐる状況も急速に変化している。
今の社会は40年前とは全く異なり、決済サービスは銀行にとって競争性を高めるのに不可欠な要素となっており、価格だけでなく、使いやすさ、選択肢の多さ、可視性や透明性などが求められている。これまでコストセンターと考えられていた決済業務は、今や、銀行の価値提案において貴重なツールと捉えられるようになり、銀行の決済に対する考え方や取り組み方が変わりつつある。その変化は、テクノロジーと競争という二つの原動力によって進められており、この傾向は、クロスボーダー決済において顕著になると考えられている。
銀行は、この変化に対応する準備ができているのだろうか。
クロスボーダー決済の未来をどう考えているにしても、規制や競争、顧客からの期待などは確実に変化しており、今、銀行が先を見た計画を立てることは非常に重要である。テクノロジーの進化のスピードだけを考えても、変化に対応する必要があることが分かるであろう。つまり、「現状維持」という選択肢が消えつつあることを理解することが大切である。
