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保険基幹システムベンダーにおけるISO ERC(Insurance Service Office Electronic Rating Content )への対応状況

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2015/04/06

Abstract


セレントは、保険契約管理システムまたは独立型の査定エンジンを提供するベンダー20社を対象に、ISO(Insurance Service Office)のERC(Electronic Rating Content)への対応状況について調査しました。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 ISOの保険料率査定に対するベンダーのスタンスは?

2

ベンダーによるERC(Electronic Rating Content)対応はどのような段階にあるか?
3

ISO ERCの導入によるベンダーへの影響は?

保険会社における保険料率、ルール、フォームの維持・管理業務は複雑で労働集約的なプロセスです。企業保険を扱う保険会社の多くはISO(Insurance Service Office)の提供するデータをもとに、損耗費の動向、新商品の申請方法、規制変更などを把握しています。ISOはここ数年間に次々と新たな電子サービスを投入しており、これによりISO提供のデータを活用し、変化に対応するプロセスがスピードアップ可能になっています。

これらの新たな電子サービスのうち最も注目すべきなのはISO ERC(Electronic Rating Content)で、ISOの査定データを電子形式を提供します。これにより保険会社は業務プロセス化を簡素化し、より迅速に変更できるようになりました。保険会社は使用料を支払ってISO ERCにアクセスすることが可能ですが、それを十分活用するためには、保険契約管理または査定システムにXMLまたはエクセルファイルで取り込めるようにする必要があります。

これは、今後の潮流となるでしょうか?ベンダーはISO ERC対応製品へと移行していくでしょうか?保険会社はベンダーのERC対応を当てにしてよいでしょうか?

主な調査結果

ISO ERC対応システムは保険業界では比較的新しい製品ですが、ベンダーの回答によると、顧客である保険会社の間ではISO ERCに対する関心が高まっているようです。現在は、ベンダーの社員を通じてISOデータの分析や解釈を行うケースがなお一般的であるため、(人員に頼らない)ERC対応製品を開発しているベンダーは 競争上の優位を感じ、ERCの活用は今後拡大すると予想しています。ERC対応は、現在は競争上のメリットですが、将来的には必須条件となるでしょう。

「ISOデータに対応するために、ベンダーがERCを活用するか、社員を活用するか、どちらを選択するかは、ベンダー各社の方針の問題ですが、ISO ERCに対応する製品を開発済みのベンダーは既にメリットを実感しているようです。そして、現時点でERC対応製品を投入していないベンダーは ①既存製品に注力している、②ERC対応製品への早期移行の必要性を踏まえ年内の実現を計画中である のいずれかであるようです」と、セレント保険プラクティスの リサーチディレクターでレポートを執筆したカーリン・カーナハンは述べています。