ナスダック市場では上場銘柄の大部分が電子発注システム（EOB）を通じて売買される状況が続いており、そのシェアは市場全体の約82%に達しています。一方、マーケットメーカーのシェアは17%に低下しました。

上位3つのEOB（ナスダックMC、EDGX Exchange、BATS Exchange）の合計シェアは、前回調査の51%から48%に低下しました。一方、マーケットメーカー上位3社のシェアも22%から14%に低下しています。

セレントは最新レポート「ナスダック市場の注文執行クオリティ」で、2012年7月1日から9月30日までの間に執行された120億件を超える売買注文について分析しています。セレント証券グループのアンシュマン・ジャスワルが、155の市場参加者を対象に注文執行スピードと約定価格を調査した結果をもとに、ランキングを作成しました。

ナスダック銘柄の注文執行を主に手がけるのはBATS Exchange、NYSE ArcaおよびBATS Y-Exchangeの3つです。このほかEDGA Exchange、ナスダックBX、ナスダックNasdaq PSXなどの主要マーケットセンターも注文執行を行っています。過去に行った調査と同様、マーケットセンターをマーケットメーカー、電子発注システムといった種類別にグループ分けし、異なる色で示しています。今回の調査は、過去の調査に比べてマーケットセンターごとにパフォーマンスの違いが際立っていることが特徴です。

表1は、ナスダック上場銘柄の注文執行を行うEOBの総合ランキングを示しています。このうち約定価格の改善状況で上位にランクされたのはナスダッ クBX、BATS ExchangeおよびBATS Y-Exchangeです。注文執行の平均スピードでは、NYFIX Millennium、BATS ExchangeおよびBATS Y-Exchangeが上位を占めました。最善執行の条件となるこれら2つのカテゴリーを合わせた総合ランキングでは、BATS ExchangeとBATS Y-Exchangeがトップにランクされました。

表 1: 主要EOBのランキング

表2は、マーケットメーカーのランキングを示しています。約定価格ではインスティネット、バークレイズ・キャピタル、Knight Capitalが、執行スピードではウェルス・ファーゴ、クレディ・スイス、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがそれぞれ上位にランクしています。

表 2: 主要マーケットメーカーランキング

本レポートは36p、25図と7表で構成されています。