香港の命運を握る存在として中国の影がますます強まっている。香港は中国本土への玄関口ではあるものの、中国は香港に流入する投資マネーの出どころであり、アジア太平洋地域から資本を引き付ける役割も果たしている。
もちろん、中国の香港およびその他アジアの国々への影響は経済的な側面だけではない。中国の物理的大きさと位置、さらに裕福で教育を受けた海外在住の中国人が行使するソフトパワーは、社会文化的な影響につながっている。そのような影響は、特に自律的・人任せにしない投資アプローチのような投資行動や、その投資アプローチをサポートするために導入されているオンライン証券や関連インフラに見ることができる。香港は、隣接する政治的支配者である中国の影響から利益を得ると同時に重圧を受け続けるだろう。
近年の政治的緊張およびパンデミックは、次第に頻繁に問題となっている中国と香港の間の相互依存を浮き彫りにした。実際コロナウィルスに対処する取組みは、香港の世界的な金融ハブとしての地位を脅かすと思われた学生主導の抗議活動の報道に取って代わった。今や、国内の成長の原動力を損なうことなく公衆の安全を保護するような方法でパンデミックに取り組む責任は中国にある。その一方で、経済的/ 政治的逆風に晒される中、香港はグローバルな金融ハブとしての地位を維持する方法を見つける必要がある。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)