欧州の生命保険向けシステムベンダー16社の詳しい特性とその他の11社の概要を比較した結果、保険契約管理システム(PAS)の低コスト化と柔軟性の向上が進んでいることが明らかになりました。
欧州の生命保険向けシステムベンダーの動向に関するセレントの第2弾レポート「2007年欧州保険契約管理システム:生命保険システムベンダー」によると、既存の、また新規参入のベンダーが様々な保険契約管理システムを提供し選択肢が広がっています。
「生命保険セクターでは、損害保険セクターに比べてこれまで情報提供依頼書(RFI)が利用されるケースは少数にとどまっていました。しかし、今後3年ほどでこうした状況も変わるでしょう。製品価格の下落や導入期間の短縮、ベンダーの選択肢の増加といった条件が整った今こそ、保険会社にとっては保険契約管理システムの新規導入を検討する好機といえるでしょう。」とセレント保険プラクティスのシニアアナリストでレポート執筆者のキャサリン・スタッグ・マーシーは述べています。
新規参入ベンダーは、従来はモジュール数ごと、ユーザー数ごと、としていた価格体系の基準を保険契約の成約件数や保険料に対する一定料率へとシフトするなど、より柔軟な価格決定モデルを提示しています。技術的な柔軟性も向上し、複数の統合オプションを提供するソリューションや複数のプラットフォーム上で動作可能なソリューションも増えています。また、.NETが市場全体に普及し、今年は2005年に比べて数多くの.NETベース製品が入手可能となっています。
この市場の現状をレポートし、16の保険契約管理システムの詳しい特性を取り上げたほか、他の11のシステムについても一部の特性を紹介しています。また、セレントの「新ABCDベンダービュー」を使い、①テクノロジーの先進性、②機能の幅、③顧客基盤、④顧客サービスの充実度という4つの要素に基づいて、各ベンダーの市場における相対的な位置付けを図表化しています。この場合、単純な「四象限図」とは違って右上に位置するソリューションが必ずしも最善であるとは限りません。保険契約管理のように複雑で特異な分野においては、あらゆるケースで「最善」と呼べるような唯一のソリューションは存在しないからです。保険会社は、機能の幅、テクノロジー、実績、顧客サービスのうち自社にとって最も重要な要素を見極め、レポートに掲載した特性や比較表を使って独自の候補リストを作成することが必要でしょう。なお、詳細な特性が明らかになっているベンダーのみ、「ABCDベンダービュー」による比較・分析の対象としました。
レポートで詳細な特性を紹介したベンダーは、Exaxe、Airas、Mastek、aquila、Fadata、FINEOS、Bravura Solutions、Alice Software Service、EDS SOLCORP、FJH、COR、LeanApps、Sapiens、CSC、FIS、Percanaです。
また、一部の特性を紹介したベンダーはeBaoTech、EDS SOLCORP (Radience)、IDIT Technologies、Open Square、SAP、SunGard、Tata Consultancy Services、Wydeです。
本レポートは7図と83表を含む全128ページで構成されています。