少数の大手企業で支配されている決済市場では、敗北宣言をして他に焦点を移しても許されるだろう。しかしHDFC Bankは、顧客が競合他社に流れていくのを黙って見ているわけにはいかなかった。そこで同行は、現代的なクラウドネイティブスタック上に構築した革新的な決済スーパーアプリの銀行バージョン「PayZapp」を立ち上げ、ライバルらに見事に正面から立ち向かった。これは強化したセキュリティ機能を確保しつつ、顧客にシームレスで直感的なユーザー体験を提供することを目指している。HDFCによると、このユーザー体験は市場をリードしており、インド市場で銀行が提供するサービスとしては唯一であるという。
技術的な複雑さに対処するため、同行はTachyonと呼ばれるクラウドネイティブの次世代バンキングテクノロジープラットフォームを提供するZetaと提携した。HDFCのレガシーシステムの一部はこの新しいアーキテクチャでも活用されたが、同行とZetaは共に多くの新しいシステムと構成要素を開発する必要があった。このパートナーシップによって、同行はアジャイル商品の投入を成功させるための運用モデルを開発できた。また、いかにして新たなクラウドベースのSaaSバンキングソリューションを従来のオンプレミスのシステムと効果的に統合できるかについて示すこととなった。