REPORT
    クラウドによる資本市場の再構築
    7th June 2017

    クラウドは資本市場が求めるソリューションを提供しています。

    KEY RESEARCH QUESTIONS
    1資本市場のバリューチェーン全体でクラウドはいかに進化しているか?

    2

    資本市場におけるクラウドのユースケースはどのようなものか、誰がソリューションを提供しているか?
    3

    今後2年間の資本市場におけるクラウドの普及を見通す上で、悪材料と好材料はそれぞれ何か?

    クラウドベースのモデルは資本市場を変えつつあります。本レポートでは、大規模な変革が進行している分野を特定し、市場参加者とソリューションプロバイダーがクラウドを使って市場データ、トレーディング、リスクおよび業務の新たなモデルを構築している現状を明らかにしています。

    資本市場が進化し、データ中心の自動化されたAIの未来を実現する上で、クラウドは大きな役割を果たしています。クラウドはコスト削減圧力、スケーラビリティ/柔軟性/イノベーションの欠如といった今日の課題を解決し、より機動的なインフラを提供することで、常に進化する規制要件、取引アプリケーションの普及、複数の資金源に迅速にアクセスする必要性に対応できるようにしています。

    中核的なITインフラに及ぼす影響は多大です。クラウドモデルはフロント/ミドル/バックオフィスの全てに適用されるインフラ変革の青写真になりつつあります。同時に、資本市場ではコネクティビティの改善を求める動きが見られます。プライベートクラウドへの専用アクセスはスピードが速く、待ち時間が短い上、パフォーマンスとセキュリティに優れているため、資本市場の要件により合致しているといえるでしょう。

    戦略的に選ばれた部門では、パブリッククラウドの利用も拡大しています。クラウドを導入することで失敗コストが削減できるため、企業の規模に関らず、大きなリスクをとることなく新たなビジネスモデルをテストすることができます。

    「コスト削減はクラウド利用の出発点にすぎません。最終的な目標は、データ重視で高い分析力を備えて資本市場で優位に立つことです」と証券プラクティスのリサーチディレクター、ブラッド・ベイリーは述べています。

    「今日の資本市場で見られる主要トレンドはコスト削減、中核業務の重視、自動化、業務の効率化、データの優位性、アナリティクス、マシンラーニングなどですが、クラウドはその全ての中心に位置しています」とアナリストのアリン・レイは指摘しています。