2005年米国ディスカウント・オンライン・ブローカーの最新動向
Abstract
セレントの推計では、オンライン・ブローカーの取引システムはトランザクションのピーク時でも最大キャパシティの35%程度で稼働しているものです。個人投資家の取引は2000年のITバブル崩壊時に比べてある程度回復してきたものの、2000年のピーク水準には未だ21%下回っています。
オンライン・ブローカー業界の再編圧力が強まる中、イー・トレードによるアメリトレードの買収提案や後者とTDウォーターハウスの合併交渉は、一連の流れの突破口にすぎません。セレントの最新レポート「2005年米国ディスカウント・オンライン・ブローカーの最新動向」は、主要な市場トレンドの概要と分析を提供しています。具体的な内容は、業界をリードするプレーヤーの特定や将来の成長性の検討です。さらに、業界の再編圧力を生み出しているトレンドにも注目し分析しています。また、個人向けオンライン・ブローカー数社の特徴とその商品・サービスも紹介しています。
ディスカウント・オンライン・ブローカー業界がいまだ2000年のITバブル崩壊からの回復途上にある中で、個人投資家の取引が2000年のピーク水準を下回り、取引手数料は緩やかなしかし確実な下落傾向にあるという現実に、各社はすっかりなれてしまっています。しかしながら、ビジネスが常に進化を続ける中で、大手オンライン・ブローカーは新たな収益源の開拓にある程度成功しています。
「ディスカウント・オンライン・ブローカー業界は当面熾烈な競争にさらされますが、ブローカレッジサービスが常に必要とされていることから、業界自体が消滅するようなことはないでしょう」と、セレントの証券プラクティスのアナリストでレポート執筆者のローレン・ベンダーは述べています。「ブローカレッジ業務の伝統的な本業である取引サービスが急速にコモディティ化しているのは明らかですが、顧客は、純資産の適切な管理(および拡大)をサポートする能力を備えた金融機関を選好していくでしょう。効率的な取引サービスの提供で収益向上に集中できるのは1~2社のプレーヤーに限られ、今後5年間に成功を収める金融機関の大部分は付加価値を備えた金融管理商品やサービスを開発できるプレーヤーでしょう。」
現在および将来の手数料引き下げ、成長減速、高コストのインフラといったマイナス要因にもかかわらず、ディスカウント・オンライン・ブローカーは全般に大衆層にとって重要な金融サービスプロバイダーであるという、良いポジションにあります。これは、従来は銀行や投資顧問業者が提供していたサービスをこれらの会社が次々と手がけているからです。リテール向け金融サービス業界の収斂が続く中、ディスカウント・オンライン・ブローカーは最も大きな成功者となり得る可能性があるのです。
このレポートで取り上げたオンライン・ブローカーは、アメリトレード、チャールズ・シュワブ、イー・トレード、フィデリティ、Scottrade、TDウォーターハウスです。
レポートは全49ページから成り、28の図表が掲載されています。