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    ING: FXトレーディングのデジタルトランスフォーメーション
    セレント・モデルセルサイドアワード2024 デジタルトランスフォーメーション部門 受賞企業
    28th March 2024

    INGは、取引量では世界最大だが非常に細分化されており大きく変化しつづけているFX市場におけるサービスのデジタル化を加速させることを目指していた。流動性のテイカ―(買い手)とメイカ―(売り手)との間の主要なやり取りは、取引当事者間で交換されるデータや分析への期待の高まりに伴い、急速に「Show me the data(データを示して)」という形に移行しつつある。

    FX市場は流動性調達、取引執行、および市場への公平なアクセスを解決するソリューションを必要としている。INGはFX取引プラットフォームをデジタル化する革新的なプロジェクトにより、最高の顧客体験 (CX) を提供することを目指した。顧客体験の変革には、INGの既存の技術スタックと商品を見直し、役員レベルのサポートのもと複数年計画によって実現する必要があった。

    表1:ケーススタディ概要

    金融機関

    ING

    プロジェクト

    FXグローバル市場のデジタルトランスフォーメーション

    概要

    過去2年間にわたり、INGはFX市場におけるサービス全体の大規模なデジタル化プロジェクトに取り組み、技術スタックと商品の見直しを行い、INGとの顧客体験に大きな変化をもたらした。重点分野は以下の3つである。

    ·新商品

    ·価格設定とヘッジ

    ·高度な分析

    この取り組みは、フロントオフィス、財務・資本市場、商品開発、取引所への接続性など、市場バリューチェーンのさまざまな分野に影響を与えている。

    タイムライン

    eトレーディングとディストリビューションの2つのメインストリームで機能強化を継続的にリリースしながら2年以上かけて完了

    主なメリット

    顧客体験の向上:INGは新プラットフォームによってフローを内在化させることができ、コストと市場への影響を削減した。そのため競争力のある価格設定を行い、直接顧客へ還元を行うことができた。顧客ランキング、ヒット率、顧客フローも改善された。

    数値化できるビジネス成功指標:例えばスポットフローが100%増加、複数の通貨ペアで取引所で1位を獲得し、これらすべてが収益の増加につながった。

    新商品: 新プラットフォームは、ESGデータに基づく価格設定の強化機能など、新商品のイノベーションのためのコストと市場投入までの時間 (TTM) を削減し、FXスワップ市場の電子化をサポートすべく大手電子市場との連携に対応した。

    主要ベンダー

    ION, Lucera, Mosaic, OpenFin, Pragma, Sustainalytics, 360T Deutsche Börse Group

    Source: ING

    Author
    Monica Summerville
    Monica Summerville
    Head of Capital Markets