ニューヨーク証券取引所（NYSE）における電子発注システム（EOB）の市場シェアは、セレントが行った前回の四半期調査時の53%から55%に上昇しました。一方、スペシャリストとDMMのシェアは34%から33%へとわずかに低下し、マーケットメーカーも12%から11%にシェアを落としています。

セレントの最新レポート「ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2012年1月1日から3月31日までの間に執行された160億件を超える売買注文の分析結果をまとめたものです。レポートを執筆した証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルは、155の市場参加者を対象に売買注文の執行スピードと約定価格を調査し、ランキングを作成しました。

マーケットセンターのうちトップにランクされたのはNYSE Arcaで、BATSの2つの取引所がこれに続いています。 約定価格ではCitadel SecuritiesとUBS証券がランキングの上位を占めたのに対し、注文執行の平均スピードで優れたパフォーマンスを示したのはBarclays Specialistsです。

表1は、NYSE場所銘柄の売買注文を執行する主なマーケットセンターの総合ランキングを示しています。約定価格のランキングで上位を占めたのはLiquidnet、Wells Fargo SecuritiesおよびLeveL ATSです。一方、執行スピードではBATS Y-Exchange、BATS ExchangeとBarclays Specialistsが上位にランクされています。

EOBの中では、NYSE Arca、BATS Exchange、BATS Y-ExchangeおよびEDGA Exchangeが約定価格の改善状況でランキングの上位を占めました。注文執行のスピードでは BATSの2つの取引所とNYSE Arcaがトップに立っています。これら2つのカテゴリーを合わせた総合ランキングでは、BATSの2つの取引所とNYSEが他をリードしている模様です。

マーケットメーカーでは、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックスが約定価格の優位性で調査対象の全てのマーケットセンターの中で最高にランクされました。執行スピードではモルガン・スタンレー、Citadel Securitiesおよびゴールドマン・サックスがリードしています。この結果、2つのカテゴリーを総合したランキングではモルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスがトップに立っています。