ニューヨーク証券取引所における電子発注システム（EOB）の市場シェアは、前回調査時の56%から53%に低下しました。今回の調査では、スペシャリストとDMMがシェアを31%から34%に拡大したのに対し、マーケットメーカーは横ばいの12%でした。

セレントの最新レポート「ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2011年6月1日から8月31日までに執行された280億件を超える売買注文の内容を分析しています。レポートを執筆した証券グループのシニアアナリストアンシュマン・ジャスワルは、155の市場参加者について、注文執行スピードと約定価格に基づく評価・ランク付けを行いました。

マーケットセンターのうち執行スピードと約定価格の改善の両方で高いパフォーマンスを示したのはBATS ExchangeとNYSE Arcaです。 Nasdaq MCとBATS Y-Exchangeも両方のカテゴリーで上位にランクされています。EDGAおよびEDGA Exchanges、UBS証券、Citadel Securities、Knight Capitalなど他の多くのマーケットセンターのパフォーマンスに大きな差は見られませんでした。

主要EOBをみると、約定価格の改善でトップにランクされたのはBATS Exchange、NYSE Arca、EDGX ExchangeおよびBATS Y-Exchangeでした。一方、執行スピードではBATSの2つのExchangeとNYSE Arcaが高く評価されています。総合すると、BATSとNYSE Arcaのパフォーマンスが卓越していることがわかります。

マーケットメーカーのうち今UBS証券、Citadel SecuritiesおよびATDは、今回の調査対象となった市場参加者のうち約定価格の改善で最高の評価を得ました。執行スピードでもUBS証券、Citadel SecuritiesおよびATDが最高のパフォーマンスを示しています。これらを総合した結果、マーケットメーカーではUBS証券とCitadel Securitiesが最も上位にランクされました。

スペシャリストとDMMのカテゴリーではBofA Specialist、Goldman Sachs Execution & ClearingとBarclays Specialistsが約定価格の改善で上位にランクされています。これらのスペシャリストは執行スピードでも高く評価されています。総合ランキングでは、BofA SpecialistとGoldman Sachs Execution & Clearingがトップを占めています。