REPORT
    投資顧問会社における取引注文管理 システム(OMS)の最新動向
    4th July 2011


    セレントの予測では、バイサイドの金融機関による取引注文管理システム(OMS)関連投資額は2007年には世界規模で1億6,800万ドル(約185億円)に達する見通しです。


    セレントは最新レポート「投資顧問会社における取引注文管理システム(OMS)の最新動向」で、バイサイドの金融機関向けOMS市場の主要トレンドや有力プレイヤーに焦点を当て、同市場の最新動向を明らかにしています。

    OMSの採用が最も進んでいるのは大手金融機関で、複数のソリューションを導入しているケースが多く見られます。その背景には、既存システムの問題、企業買収、複数の資産クラスを取引対象とすることに伴うニーズの多様化、金融機関ごとの選好などがあると考えられます。一方、小・中規模の金融機関では、OMSの業界標準が確立され、プロバイダーの増加に伴う価格低下が実現するまで導入を見合わせる傾向がうかがえます。下のグラフはOMSに対する新規投資予測を示したもので、2007年には世界の投資総額が1億6,800万ドル(約184億円)に達するとしています。

    「米国および英国には、9,000社以上の登録投資顧問業者がありますが、そのうち大手プロバイダーのOMSシステムを導入しているのはわずか1,500社にすぎません。多くの投資顧問業者はOMSシステムを導入しても採算がとれるだけの取引量を確保していないのです。証券業界は相互依存性が極めて高いだけに、取引ネットワークへの参加者が拡大しない限り、注文執行・決済の本格的な自動化は実現しないでしょう」と、セレントのアナリストで上記レポートの著者であるデニース・バレンタインは述べています。

    ベンダーおよびソリューション
    ベンダー名商品名
    Advent SoftwareMoxy
    Charles River DevelopmentCharles River IMS
    DST InternationalHilnvest
    Eze Castle SoftwareTraders Console
    Financial Models CompanyFMCModel, FMCTrade
    INDATAPrecision Trading
    Latent ZeroCapstone
    Linedata ServicesLongView Trading
    MacgregorXIP
    SS&C TechnologiesAntares
    サンガード・インベストメント・マネジメント・システムズDecalog
    Thomson FinancialOneva Trade EQ
    出所: 各社資料

    「いまだ歩みは遅いながらも、業界ではプロトコル標準化に向けた動きが見え始めており、投資顧問業者の間では内部でのストレートスルー・プロセッシングへのシフトが徐々に進行しています。今日、金融機関は当局から透明性の向上と内部管理の厳格化および文書化を求められており、このような環境下ではフロントオフィスシステムの改善は当然の帰結といえるでしょう。」