2009年9月ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ

セレントは幅広い調査に基づき、ニューヨーク証券取引所（NYSE）の上場銘柄の注文執行を手がけるマーケットセンターの比較・評価を行いました。

セレントの最新レポート「2009年9月ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2009年4月1日から6月30日までの期間に売買されたNYSE上場銘柄の注文執行クオリティを検証しています。計158の市場参加者が執行した174億件以上の売買注文（株式総数は6.7兆株）を調査し、セレント証券グループアナリストのアンシュマン・ジャスワルが執行スピードと約定価格に基づいてこれらをランク付けしました。

電子発注システム（EOB）は、執行スピードと約定価格の両カテゴリで、マーケットメーカー数社と並び優れたパフォーマンスをみせています（以下のグラフ参照）。ナスダックMC、BATS Exchange、Direct Edge (EDGA 、EDGXいずれも) およびNYSE Arcaは高く評価されており、ATDとUBS証券がその後に続いています。

出典：セレント

EOBの執行スピードがより速い小規模注文を除き、取引所のスペシャリスト/指定マーケットメーカー（DMM）が注文規模に関わらず最速の執行スピードを達成しています。一方、有利な約定価格という観点では、マーケットメーカーが優位に立っており、そのパフォーマンスは、EOBよりもはるかに高く、取引所のスペシャリスト/DMMよりもさらに高くなっています。

ニューヨーク証券取引所におけるEOBの総合ランキングを表1に示しています。ナスダックは、EOBとして最もクオリティの高い約定価格を提供しており、2位にNYSE Arca、3位、4位にそれぞれ、Direct Edge EDGA およびBATS Exchangeが続いています。執行スピードのランキングでは、最新のデータに基づき、BATS Exchangeが最も高い評価を得ました。ナスダックMCは2位を維持し、Direct Edge EDGAは3位、NYSE Arca、Direct Edge EDGXと続いています。

大手マーケットメーカーの中では、E*Trade Capitalが約定価格ランキングでトップになり、UBS証券は2位、ATDは3位となりました。執行スピードランキングでは、ATDが最速であるという評価を得、Knight Capitalが2位に続きました。UBS証券は3位にランクし、尽力を続けるE*Trade Capital は4位となりました。

NYSEスペシャリスト/DMMのうち、最もクオリティの高い約定価格を達成したのはKSGで、LaBrancheがその後に続きました。 執行スピードランキングでは、Banc of America Specialistsがトップで、Spear, Leeds & Kellogg およびLaBrancheがそれぞれ、2位と3位にランクインしました。 (尚、Bear-Wagner（現Barclays Capital）は十分なデータがありませんでした。Van Der Moolen（現リーマン関連会社）は本レポートで社名を変更しています。)

本レポートは25図および9表を含む42ページで構成されています。レポートの目次はオンラインでご覧になれます。