セレントのモデルバンクの構想は以下の3つの疑問に対する解を探るものでした。それは当初から変わらないものの、この10年で状況は大きく変わりました。本レポートでは、モデルバンクの歴史とその進化の過程を振り返りつつ、2017年モデルバンクの候補プロジェクト、テーマ、受賞者について概要を述べます。
- 銀行が最新テクノロジーを最適化したらどうなるか?
- テクノロジープロジェクトのベストプラクティスとは何か?
- これらのプロジェクトから銀行は何を学べるか?
2017年度のアワードでは、各分野に一つの受賞者を選出しました。このレポートでは、全応募プロジェクトを通じた概要を述べ、各ケーススタディの詳細は各分野のレポートに譲ることにしました。以下が2017年のモデルバンク受賞者一覧ですが、各受賞者をクリックすると、そのレポートのページが開きます。
アワードカテゴリー | 受賞者 | プロジェクト |
個人顧客向けデジタルプラットフォーム | オープンバンキングプロジェクト | |
バンキングチャネルのイノベーション | AI活用とソーシャルメディアバンキング | |
個人顧客向けエマージングテクノロジー | AIエージェント | |
商品のイノベーション | バーチャル銀行に変身 | |
支店トランスフォーメーション | 支店エクスペリエンス2.0 | |
従業員の生産性 | Facebook のワークプレイスを導入 | |
不正行為防止とサイバーセキュリティ | 不正行為防止と収益拡大を同時に実現 | |
リスクマネジメント | オペレーショナルリスクとコンプライアンスの追求 | |
プロセス自動化 | デジタル顧客オンボーディング | |
決済商品 | APIバンキング | |
ペイメントプラットフォームの再構築 | グローバル決済プログラム | |
プラットフォームとしてのバンキング | APIの活用 | |
中小企業向けプラットフォーム | クラウド・スモールビジネスプラットフォーム | |
法人向けデジタルプラットフォーム | オンラインコネクテッドコーポレートバンキング | |
エマージングテクノロジー | 自然言語検索 | |
融資商品 | 中小企業向け迅速融資 | |
オーブンバンキング | CitiコネクトAPI | |
最も成功可能性の高い概念実証 | ブロックチェーンの試験ネットワーク | |
レガシートランスフォーメーション | リテールバンキングのオリジネーションプラットフォーム | |
クラウドでのバンキング | クラウド上の勘定系システム | |
フィナンシャルインクルージョン | 銀行システムの現代化 |
そして、本年度のモデルバンク・オブ・ザ・イヤーには全社を挙げてデジタル化を推進した、スペインのCaixaBankが選出されました。
「今年も質の高いプロジェクトの応募数が過去最高に達し、銀行業界の変化の速さを示しています。モデルバンク・オブ・ザ・イヤーをはじめとし、モデルバンク受賞の21行は多数の応募プロジェクトの中でも、イノベーション、困難への挑戦、ビジネス成果という点で傑出していました」と銀行プラクティスのシニア・アナリスト、ジルビナス・バレイシスは述べています。
本レポートは30p、15図と2表で構成されています。