今回の調査でもナスダック市場の上場銘柄の多くが電子発注システム（EOB）で売買される状況が浮き彫りとなり、そのシェアは約77%に達しています。一方、マーケットメーカーのシェアも22%に上昇しています。

上位3つのEOB（ナスダックMC、BATS ExchangeおよびNYSE Arca）の合計シェアは前回調査時の46%から51%に回復しました。一方、マーケットメーカーの上位3社もパフォーマンスが改善し、合計シェアは19%に上昇しました。

セレントの最新レポート「ナスダック市場の注文執行クオリティ」は、2012年1月1日から3月31日までの間に執行された160億件を超える売買注文を分析した結果をまとめたものです。セレント証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルが、155の市場参加者を対象に売買注文の執行スピードと約定価格を調査し、ランク付けしました。

ナスダック上場銘柄の注文執行をめぐるランキングのトップ3は、平均執行スピードと約定価格の改善状況の両方のカテゴリーで入れ替わりがありました。現時点で、執行クオリティが最も高く評価されたのはNYSE Arca、BATS Exchange、BATS Y-Exchange、Getco Execution、EDGA Exchangeです。

表1は、ナスダック上場銘柄の主なマーケットセンターの総合ランキングを示しています。約定価格で上位にランクされたのはWells Fargo Securities、Liquidnet、LeveL ATSおよびNYSE Arcaです。執行スピードでは同じくWells Fargo Securities、BATSの2つの取引所とNYSEがトップを占めています。

表2は主な電子発注システム（EOB）のランキングを示しています。主なEOBの約定価格の改善状況を比較した結果、最も高く評価されたのはNYSE Arca、EDGA Exchange、Nasdaq BXとBATSの2つの取引所でした。注文執行の平均スピードで上位にランクされたのはBATSの2つの取引所とNYSE Arca、EDGX、EDGA Exchangesでした。これら2つを合わせたEOBの総合ランキングではNYSE ArcaとBATSの2つの取引所がトップにランクされています。

マーケットメーカーのうち約定価格で上位を占めたのはWells Fargo Securities、Knight CapitalおよびCitadel Securitiesです。注文執行の平均スピードでもWells Fargo Securities、Citadel SecuritiesとKnight Capitalが最高の評価を得ました。総合ランキングでも、やはりこれら3つのマーケットメーカーがトップを占めています。