セレントは長年にわたり、銀行による決済システム現代化の必要性を提唱してきた。セレントの先のレポートでは、中央銀行も同じ課題に直面しており、現代化が必要であることを明らかにした。イノベーション推進の観点からは、中央銀行はますます障害となっている。
しかし中央銀行は、対応しなければならないもう一つの課題、すなわち通貨そのものの変化にも直面している。それは、通貨そのもののあり方の変化である。新しい形態の通貨が出現し、今後も出現し続ける中で、中央銀行は、それらをどの程度受け入れ、活用することができるかを評価する必要がある。
政策から中央銀行が果たすべき役割の範囲まで、考慮すべき点は数多くあるが、それらはすべて国によって異なり、本レポートの範囲外である。しかし、監視とリスクのためだけであれ、中央銀行がこうした新しい形態の通貨に関与する必要性はますます高まるだろう。選択肢の多様化は、そうしなければ単に迂回されるだけかもしれないことを意味する。そこで本稿では、中央銀行がその役割を検討する際に覚えておくべき重要な項目を示し、中央銀行が、自行であれ第三者であれ、決済スタックにこれらの通貨を組み込む方法を検討する際に覚えておくべき重要な考え方を提示する。
