2020年は、最近の記憶では他に例を見ない年となった。新型コロナウイルスのパンデミックを受け、金融業界のみならず全ての企業が迅速な対応と同年の優先課題の見直しを余儀なくされた。

セレントも、顧客が不透明な状況を乗り越えることができるよう全力で取り組んできた。具体的には、「トップトレンド」および「IT投資」に関するレポートシリーズの特別版を発行したほか、１年を通じて定期的な銀行調査を行い、新たな分析結果を発表した。

パンデミックはいまだ収束に至っていないものの、リテールバンクの2021年の優先課題も明確になりつつある。本レポートでは、2022年に向けた顧客へのアドバイスを取りまとめた。その内容には、テクノロジー戦略の優先課題に関する調査データをはじめとして、2020年に発行したレポートで紹介したインサイトも一部含まれているが、大部分は過去に発表したことのない新たな内容である。

今回のレポートでは優先課題ごとに詳細を説明することはしていないが、各課題を３つの視点から考察している。

セレントはここで詳しく紹介したテーマの多くをこれまで既に取り上げており、その大部分が我々の2021年のリサーチテーマとなることは確実である。我々は、リテールバンク業界の発展過程を常に身近で追える立場にあることを名誉に感じており、顧客であるリテール銀行が変化に巧く対応できるよう全力でサポートする所存。