支払いとキャッシュ管理の一括化は、信用危機を乗り切ろうとしている企業に大きなメリットをもたらしています。コーポレートトランザクションバンキングにおいてはプロセス、人間、テクノロジーという3つの要素がありますが、これは三脚の脚のようなもので、銀行はこれら3つのバランスをうまくとるように戦略を策定しなければなりません。

信用収縮は企業の財務部門に多くの形で影響を与えました。財務部門は現在、取引銀行の整理統合を検討しはじめています。カウンターパーティーリスクが金融業界全体の問題にまで発展し、顧客は取引銀行の商品価格やサービスレベルだけでなく、財務の健全性にも注目するようになったのです。銀行はもはや、信用と信頼なくしては顧客との間に健全な関係を築くことができません。金融危機の結果、企業の財務部門は金融機関に対して、自社システムとより接続性の高いソリューションを期待するようになっています。

顧客との関係を緊密化するために、キャッシュマネジメントとトレードファイナンスを融合させることの重要性を本レポート「グローバルトランザクションバンキングにおける3つの要」は明らかにしています。 戦略的には、キャッシュマネジメントサービスは顧客のロイヤリティ、リテンションを確立するためのもので、トレード・ファイナンス関連の商品やサービスは、銀行の顧客関係戦略の円滑な実行を支援するものです。

出典：セレント

「コーポレート・バンキングを長期にわたって成功させるためには、優れたトランザクションバンキングの提供が不可欠です。これからのよりよい顧客関係の構築、発展、維持のためには、キャッシュマネジメントとトレードファイナンスを融合して提供する必要性が高まってきているのです」とセレント・バンキンググループのシニアアナリストで本レポートの執筆者であるエンリコ・カメリネッリは述べています。

本レポートは29図を含む52ページで構成されています。