SPHERE：情報ストリームから流動性レイクへ

トレーディングでは通常、情報を持っている人ほど有利なスタートを切ることができるが、情報の問題を克服するのは難しい。「情報の非対称性」と呼ばれるこの優位性は、金融市場において不可欠な、情報を取得し、構造化し、保存することで、情報に基づき速やかに行動することができる能力を提供する。しかし、多くの市場、特にホールセール市場では、複数の取引チャネルがあり (ハイブリッド市場)、それぞれにストリーミングデータ、音声、インスタントメッセージなどの独自の情報ストリームがある。

これまでトレーダーは、特に他では取得できない音声やメッセージを含む、あらゆる情報を取り込んで記憶するために最善を尽くしてきた。しかし、現在は取り扱うデータと場所が膨大な数に上っており、あらゆる情報を記憶するのはほぼ不可能である。その結果、これらの異なるデータソースを活用するための新たなテクノロジー主導のソリューションが続々と登場している。Sphereはこうした革新的なソリューションの1つであり、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) を利用して情報を1つのアプリケーションに集約できるサービスである。Sphereはコモディティ市場に焦点を当てているが、債券市場などのハイブリッド市場に関して同様の課題を抱えている他の市場でも、このソリューションを活用する機会があるとセレントは考えている。

SphereのLiquidity Lakeによって、トレーダーは記憶に依存するワークフローから、指先1つで情報にアクセスできるテクノロジー主導のワークフローに移行することができる。

これまでのワークフローは以下の通り：

従来のハイブリッド市場における情報の流れ：