資金決済革命
2016/11/18
Eiichiro Yanagawa
決済を取り巻く環境は劇的に変化しつつあります。消費者がキャッシュに代わるより便利なものを求めていることは明らかですが、金融機関はこうしたニーズにあまり積極的に答えようとしてこなかったように思われます。一方、この分野は、金融サービスプロバイダにとっては、ブルーオーシャンのようにチャンスが広がっているといえるでしょう。先駆者として新たな決済プロジェクトを投入できる新市場の成長が期待できるからです。
既存の決済サービス市場は競争が激化しており、多くの決済オプションが溢れかえったレッドオーシャンです。市場参入を目指すプレーヤーが既存の市場で成功を収めようとするなら、既存の決済手段に取って代われる価値提案を創出する必要があります。 企業活動や消費者の生活により密着する方法を開発しなければなりません。そうなると、金融サービスをめぐる競争のカギは金融業界の外にあるのかもしれません。YouTubeやリッツ・カールトンのような顧客認知、Google やAmazonのような顧客行動予知などがその例です。
未来の個人向けの決済サービスは、デジタルネイティブ世代の日常生活における新たな情報と価値移動の基盤として、既存の電子マネーを凌駕する破壊力を持つでしょう。未来の 法人向けの決済サービスは、決済指図と契約を電子化、自動化することで、企業活動の情報と価値移動の源泉を握り、既存のサプライチェーンを革新することが期待されます。
セレントはここに、破壊的なイノベーションと「資金決済革命」の可能性を見出します。