欧州金融機関における取引後処理: バック/ミドルオフィスのSTP
Abstract
欧州の銀行や運用会社では、バックおよびミドルオフィスのストレート・スルー・プロセッシング(STP)に関するプロジェクトの重要性が高まっているにもかかわらず、その取り組みは軽視されています。
欧州の金融機関がオペレーショナル・リスクの軽減、営業コストの削減、そしてコンプライアンスの向上を実現するには、業務の自動化と標準規格の採用が不可欠です。このような目標達成にはSTPがカギを握ります。しかしながら、セレントの最新レポートでは、欧州の銀行や運用会社が、バックおよびミドルオフィスにおけるSTP関連プロジェクトに十分対応していない実態を、浮き彫りにしています。
セレントの最新レポート「欧州金融機関における取引後処理:バック/ミドルオフィスのSTP」の見解では、欧州の銀行や運用会社における、STPの概念の実現を阻んで来たのは、取引の複雑化、不正確なデータ、予算の縮小、そして業務部門の意向などです。STP化の遅れが最も目立つのがデリバティブの分野です。レポートでは、欧州金融機関を対象にSmartStreamTechnologiesと協力して実施した調査結果から情報を収集し、多くの金融機関でデリバティブ取引のSTP化が実現していない現状を示しています。調査では、デリバティブ関連業務のうち自動化されているプロセスは50%に満たないとする回答が過半数を超えました。また、デリバティブ取引のSTP化が進まない主な理由としては、取引の複雑さと標準規格の欠如が挙げられています。結果として、回答者の35%が、他の資産クラスよりもデリバティブのSTP化を最優先すべきだとしていました。
調査では、また、株式、債券、外国為替の分野では、比較的進んだSTPの導入から成果が得られているものの、さらなる改善が必要であることも示されています。「欧州全域には、バックおよびミドルオフィスにおける取引業務の自動化のために、なすべきことが山積みです」と、セレントのアナリストでレポートの主要執筆者であるデビッド・イーストホープは述べています。
今回の調査レポートは、SmartStrem Technologiesの協力を得て、様々な分野の欧州金融機関の経営幹部80人以上を対象に実施したインタビューに基づき、デリバティブ、株式、外国為替、キャッシュ、債券などの商品タイプに渡って、最も共通しているSTP導入の阻害要因を明らかにしています。
本レポートは36図と5表を含む全51ページで構成されています。