「グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIB)」であるHSBCは、マネーロンダリング防止(AML)に向けた主な取引監視システムとして機能するクラウドベースのソリューションを採用するという革新的な動きを見せている。しかもこのソリューションには、中核となる検出手段として人工知能(AI)が採用されている。同行は大規模な顧客ベースを有しているが、クラウドの持つスケーラビリティと高性能なコンピューティング能力によって、そのバッチ処理時間を大幅に短縮できると判断した。Dynamic Risk Assessment(DRA)と呼ばれる新しい取引監視システムはGoogleと共同開発された。Googleは中核となるAIプラットフォームを提供し、それをGoogleクラウド上で運用する。HSBCは金融犯罪検出の分野での専門知識と、AIモデルの教育に必要な膨大なデータを提供している。セレントは、この取り組みはリスク機能のデジタル基盤への全体的な移行という点で重要だと考えている。