欧州の資産運用システム比較
Abstract
市場環境の変化に応えるため、資産運用システムを提供するベンダーは市場戦略やポジショニングの見直しを進めていくでしょう。
セレントの最新レポート「欧州の資産運用システム比較」は、欧州市場における6つの代表的な資産運用ソリューションを検証し、フロントからバックオフィスに至る機能の充実度によってこれらを分類・評価しています。
「欧州で利用されている12種類の資産運用ソリューションを徹底的に検証したところ、このうち6つのソリューションだけが、フロントからバックオフィスに至る全機能で基準を満たしていました」と、セレントのアナリストでこのレポートの共同執筆者であるイザベラ・フォンセカは述べています。「分析対象となったソリューションはそれぞれタイプが異なっており、すべての面において他に勝る有力なソリューションは見当たりませんでした。」
資産運用システムの今後の動きは、欧州プライベート・バンキング市場の再編の動きによって大きく左右されます。大手のプライベートおよびリテール・バンクは、欧州内の各市場における足場を固めようと、地元の小規模なプライベート・バンクの買収を進めています。こうした動きは、資産運用システムベンダーにも影響を及ぼすでしょう。
「今後数年間は国際的な銀行合併がさらに増えると予想され、こうした市場再編がシステムベンダーに与える影響は大きいはずです」と同じくアナリストでレポートの共同執筆者のアロイス・パーカーは明言しています。「銀行の合併に伴うシステム統合に最適な、拡張性の高いプラットフォームを提供できるベンダーは、既存の顧客を維持し、その製品は事業拡大を進める金融機関に採用される可能性を持っています。」
本レポートでは、Avaloq Evolution AG、DST International、Odyssey Asset Management Systems、SAGE、SunGard Investment Systems、TEMENOSの6ベンダーの製品を検証しています。ついては、セレント独自のベンダー評価基準「ABCDベンダービュー」を用いて、A.テクノロジーの先進性(Advanced technology)、B.機能の幅(Breadth of functionality)、C.顧客基盤(Customer base:顧客数)、D.顧客サービスの充実度(Depth of client services)の4つのカテゴリー別に、各ベンダーの相対的な位置付けを示しています(下図)。
このレポートは17図と22表を含む全53ページで構成されています。