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ケーススタディ: 銀行勘定系システムのリプレース

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2004/03/08

Abstract


セレントは、最も重要な情報システムのリプレースに取り組んでいる3つの大手銀行を対象とするケーススタディをまとめました。この結果、大手銀行のシステムリプレースプロジェクトに要する費用は2億5,000万ユーロ(約340億円)を超えることがわかりました。


「大手銀行のうち勘定系システムのリプレースに踏み切ったところは依然としてごく少数にとどまっていますが、現在検討中の金融機関の数は増える傾向にあります」と、今回のレポートを執筆したオクタビオ・マレンジは述べています。

レポートは、大手銀行のシステムリプレースプロジェクトには数億ユーロという巨額のコストを要し、さらに既存システムのアーキテクチャや事業の複雑性によってはコストが膨らむ可能性があることを指摘しています。また、こうしたプロジェクトによって達成される効果としてのコスト削減はその総額の半分程度が、IT費用の削減ではなくむしろバックオフィス業務の効率改善によってもたらされるとしています。

このようなプロジェクトで計画どおりのコスト削減が実現されれば、その額は銀行の業務予算全体の5~8%を占めることになり、銀行の競争力を大幅に高める要因となるでしょう。

本レポートでケーススタディの対象としたのは以下の3行です。

サンタンデール銀行(スペイン)はグループ全体の勘定系システムを1つのプラットフォーム上に移行した後、Javaベースの全く新しいアプリケーションの自社開発を目指しています。このプロジェクトの投資総額は約2億5,000万ユーロ(約340億円)で、プロジェクト完了後は年間約2億5,000万ユーロのコスト削減が見込まれています。

ポストバンクはドイツ国内最大のリテールバンクで、SAPと提携して新たな勘定系システムの開発を進めてきました。プロジェクトへの投資総額は約3億ユーロ(約410億円)に上るとみられますが、すでに年間約5,000万ユーロ(約70億円)のコスト削減に成功しています。

ABNアムロ(オランダ)のインド支社は既存ソリューションの段階的な入れ換えプロジェクトのベンダーとしてインフォシスを採用しました。同行のケースで注目すべき点は、大幅な業務コストの削減を達成しながらも、先進分野への業務拡大を実現しているところです。