フィナンシャル・ベッティング: 先行する英国市場
Abstract
セレントは、金融商品としてのベッティングは2010年までに年間26%のペースで拡大すると予測しています。中でも、アジアと欧州大陸における大幅な伸びが見込まれます。
スプレッド・ベッティング、CFD取引、バイナリー・ベッティングなどはしばしばマスコミで取り上げられていますが、セレントの推計では、こうしたフィナンシャル・ベッティングのアクティブトレーダーは現在約12万5,000人にすぎず、ベッティング用の口座保有者も全世界で42万5,000人程度(うち90%は英国在住)でしょう。しかし、ベッティングは今後アジアで急成長し、欧州大陸では特にCFD取引が益々一般化していくでしょう。
下のグラフが示すように、ベッティング市場は2005年から2006年にかけて26%の成長が見込める状況にあります。
セレントは最新レポート「フィナンシャル・ベッティング:先行する英国市場」で、ベッティング業界に影響を及ぼす主要トレンドの概要と分析を示し、有力プレイヤーを紹介しています。さらに、世界のリテール証券市場のニッチ部門であるベッティングの今後の方向性について検討しています。
「ベッティング市場拡大の主な原動力の一つには、伝統的な金融市場におけるボラティリティの欠如があります。バイナリー・ベッティングなどのフィナンシャル・ベッティングのアクティブトレーダーは、対象となる市場の動きが少ない場合でも、価格やオッズを絶えず変更することによって、ボラティリティの高い状況を作り出せるのです」と、セレントの証券プラクティスのシニアアナリストで本レポートの執筆者であるローレン・ベンダーは述べています。
「ところが、欧州でまもなく施行される改正投資サービス指令(MiFID)には、一部のフィナンシャル・ベッティング業者が採用している現行のビジネスモデルに脅威を与えるような条項が幾つか盛り込まれています。このため業者は、英国および欧州大陸におけるMiFID施行が有利に働くよう、自らのビジネスモデルの明確化や修正を迫られるでしょう。」
現行の規制環境下でも、ベッティング業者は規制上有利なシンガポールやオーストラリアでの開業を急いでおり、市場は飛躍的に成長するとセレントは予測します。
この分野における有力プロバイダーとしては、CMC Markets、IG Index、City Index、Finspreads、Cantor Index、Man Spread Trading、E*Trade、Betfair、Ladbrokesなどが挙げられます。
このレポートで主に取り上げた地域は、英国、オーストラリア、アジアの中国語圏です。
レポートは12図と8表を含む全52ページで構成されています。