独立代理店調査:保険会社選別の要因分析
2004/12/29
クレイグ・ウェバー
Abstract
損害保険の独立代理店を対象にセレントが最近行なった調査において、代理店が保険会社を選別する際の重大な要因としてテクノロジー、引受業務における関係、フィールドサービス、スピードを挙げる回答が目立ち、1年前の同調査での意見が繰り返される結果になりました。
「多くの業務分野では、コモディティ化が重要な要因となっています。商品や価格で差別化を図ることが難しくなる中、保険会社は独立代理店のロイヤルティを獲得するためにスピードやサービスを重視せざるを得なくなるでしょう」 と、調査結果をレポートにまとめたシニアアナリストのクレイグ・ウェーバーはコメントしています。
前回調査でトップ3に挙げられた選別要因が今回の調査でもトップを占めていますが(下表参照)、同時に今回新たなカテゴリーとして設けられた「フィールドサービス」も上位にランクされていることにウェーバーは注目しています。「テクノロジーは他のあらゆる要因における能力向上を可能にすることから、常に特に重大な要因と考えられています。また、多くの独立代理店は、保険の見積もりや手数料チェックといった個々の日常業務の処理能力と同列の話題として、しばしば保険会社に対する評価を取り上げています」とウェーバーは述べています。
Q: どの保険会社が好きですか。それはなぜですか。 | ||||
順位 | 選別要因 | コメント例 | 2004年調査の回答率 | 2003年調査の回答率 |
1 | テクノロジー | 「簡単にオンライン見積もりができる」 | 27% | 24% |
2 | 引受業務における関係 | 「○○保険の引受査定担当者とは業務上の協調関係が良好である」 | 18% | 14% |
3 | フィールドサービス | 「連絡が取りやすく、約束したことは必ず実行してくれる」 | 14% | N/A |
4 | スピード | 「契約変更の処理が迅速だ」 | 11% | 14% |
5 | 商品 | 「○○保険の商品ラインは自分の顧客のニーズに合っている」 | 9% | 15% |
6 | 理念 | 「自社の業務戦略や能力を十分に把握しており、むやみに手を広げない」 | 8% | 9% |
7 | 価格 | 「必ずしもベストとは限らないが、常に妥当な価格を提示する」 | 7% | 9% |
8 | 保険契約者向けサービス | 「保険金請求に対する対応が優れている」 | 3% | 7% |
9 | 報酬 | 「手数料率が高い」 | 3% | 5% |
10 | ブランド力 | 「トリプルAの格付けは販売活動上有利である」 | 1% | 2% |
出所: セレント・コミュニケーションズ、2004年独立代理店調査 |
昨年11月の調査結果をまとめたこのレポートでは、テクノロジーやサービスを巡る様々な課題に関する詳細な考察も提示しています。主な内容は以下のとおりです。
- 「特定の保険会社への集中度」(独立代理店が業務提携先を少数の保険会社に絞り込む)は業務分野によっていかに異なっているか。
- 新規顧客獲得のサイクルタイムが、成約率にどのように影響しているか。
- 独立代理店の日常業務では、電話やファックスといった「旧態依然」のツールがいかにいまだ多用されているか。
- 独立代理店が、いかにデータ入力アプリケーションとして独自システムとそれ以外のシステムの併用を望んでいるか。
- 代理店向け管理システムのアップロード機能、代理店独自のポータル、オンラインツールといった典型的な販売システムプロジェクトを独立代理店がどのようにランク付けしているか。
このレポートは17の図と11の表を含む全49ページで構成されています。