ポストトレード市場革命の足音
2017/12/08
デリバティブ清算インフラ刷新への取り組みと課題
本稿は、「証券決済革命」シリーズの第5弾で、2017年秋に実施した「ポストトレード業務におけるテクノロジー活用サーベイ」の結果に基づき、革命に対峙する市場参加者の現状と課題を総括し、レガシー&エコシステムマイグレーション、イノベーションとエマージングテクノロジーの可能性を提言する。
JSCC「デリバティブ清算刷新プロジェクト」の取り組み
日本のデリバティブ市場は、市場デリバティブ、有価証券店頭デリバティブともに、飛躍的な拡大を続けてきた。既に、新J-GATE(先物・オプション)の稼動(2016年7月)により約定システム面での市場統合を完了し、引き続き、清算インフラの刷新プロジェクトに取り組んでいる。
- プロジェクトは、日本証券クリアリング機構(JSCC)の上場派生清算システムを更改し、リスクモニタリングと担保管理機能の拡充を図るもの(2018年2月稼動予定)。
- JSCC新清算システムは、その後、上場現物清算、国債清算をあわせ、JSCCの全清算業務に共通な基盤として、全体コストの最適化を目指す(2020年完了予定)。