REPORT
    セル/バイサイド向け市場監視システム
    16th October 2015


    ここ数年、市場監視システムのニーズが拡大している背景には、ベンチマークの不正操作や類似の違法行為に伴う規制およびコンプライアンス要件の強化があります。市場参加者には、取引行動の定期的なチェックが義務づけられています。

    KEY RESEARCH QUESTIONS
    1製品開発と市場監視システムの進化をめぐる主要トレンドとは?

    2

    現在、主にどの監視システムが利用されているか?
    3

    主要ベンダーは今後どのような製品開発を計画しているか?


    セルサイドの金融機関の多くは規制要件に準拠するために監視システムを導入していますが、より先進的な金融機関はこうしたシステムを使って社内データを総合的な視野から把握しようとしています。これらのシステムを使うことでデータ管理戦略を最適化し、自社のシステムおよびプロセスの欠陥を埋めることが可能になるからです。こうした金融機関にとって、監視システムは、シナリオの策定やケース管理を通じて自社の能力を定期的にテストする手段となるでしょう。

    予想通り、規制強化はシステム導入を促すカギとなりました。その他の促進要因としては、リアルタイムの監視体制への移行、コミュニケーション分析の重要性の拡大、ビッグデータの分析などが挙げられます。

    レポートでは、監視システムを手掛ける主要ベンダー8社の製品について個別に分析し、また、それらの監視システムに共通する分野はどこか特定しています。ベンダーによって重視する点は異なるものの、対応している分野はかなりの割合で重複しています。次に、セルサイドおよびバイサイドのニーズに応じて現在投入されている主な市場監視システムの機能の概要を紹介しています。最後に、今後製品開発の対象になるとみられる分野について予想しています。

    「オープンまたは柔軟性の高いアーキテクチャを持つこと、クラウドサービスとして提供できる機能を持つこと、取引プラットフォームに関する様々な体系的・非体系的データを分析する機能を持つこと―などが差別化要因として挙げられます。イノベーションやより高度なシステム/プロセスへのニーズという点からみると、この市場の顧客セグメントの中ではやはりセルサイドの金融機関が突出した存在となっています」とセレント証券グループのシニアアナリストでレポートを執筆したアンシュマン・ジャスワルは述べています。