企業向けオンライン・キャッシュマネジ メント・ソリューションのベンダー比較
Abstract
キャッシュマネジメントは買い手市場
オンライン・キャッシュマネジメント・テクノロジーの市場は成熟段階に達しています。コア機能は完全に統合され(ACHや仕向け電信送金など)、シングルサインオンも実用化されています。今や、機能を巡る競争は弱まりつつあります。しかし、成熟期に至ったとはいえ、いまだ市場均衡の状態からは程遠く、衰退の兆しは全くみられません。むしろ、イノベーションや高度化(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャの導入など)、システムのリプレース(システムのアップグレードやリプレースを検討する中堅銀行が増加)、最新の補完的機能の導入(アラート機能、セキュリティ機能、優れた管理ツールなど)といった機運は高まり続けています。セレントの最新レポート「企業向けオンライン・キャッシュマネジメント・ソリューションのベンダー比較」は、新たなキャッシュマネジメント・ソリューションの導入や既存ソリューションのアップグレードを検討しているあらゆる規模の金融機関向けに、現在入手可能な幅広いタイプのソリューションの比較をしました。
セレントが今回調査したのは、次に挙げるベンダー8社とそのキャッシュマネジメント・ソリューションです。 Bottomline Technologies (WebSeries)、Corillian (Corporate Banking)、Digital Insight (Corporate Banking)、Financial Fusion (Corporate Banking Solution)、Fiserv BANKLINK (iLINK)、Fundtech (CASHplus)、P&H (Web Cash Manager)、S1 (Corporate Banking)。
「キャッシュマネジメント市場は買い手市場で、多くのベンダーが幅広い分野の金融機関を巡って争奪競争を繰り広げています。その中で一握りのベンダーが①先進テクノロジー、②優れた機能、③ユーザビリティ、④多数の金融機関へのサービスを巧みに組み合わせた製品を提供し、頭角を現しています」と、セレントの銀行プラクティスのマネジャーでレポートの共同執筆者のアレンカ・グリリッシュは述べています。
しかし、今後のトレンドを決定付ける真の要素は「ユーザビリティ」でしょう。「キャッシュマネジメント・ソリューションにはこれまで長い間ユーザビリティの要素が欠けていましたが、ベンダーはようやくこの要素の重要性に気付き始めています。銀行がユーザビリティを提供するためには、特性と機能性のバランスを整える必要があるでしょう」と述べるのはシニアアナリストでレポートの共同執筆者のジェイコブ・イエーガーです。「有効性とユーザビリティの重視がキャッシュマネジメント・ソリューションに対する投資を促し、2007年には投資額が6億3,300万米ドルに達する見通しです。」
本レポートは8図と17表を含む全36ページで構成されています。