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保険業界におけるeビジネス: 最新動向と展望10のポイント(生命保険編)

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2004/09/07

Abstract


セレントは、保険業界におけるeビジネス関連のIT投資総額は現在約16億ドル(約1,800億円)に上り、今後2年間は年率5%程度の緩やかなペースで拡大して行くと予測しています。


セレントの最新レポートは、損害保険業界と生命保険業界それぞれについてeビジネスの最新動向と今後の展望」をまとめたもので、各業界ごとに10項目の重要トレンドを提示しています。これらのトレンドは、セレントの保険業界に関する一連のリサーチの過程で明らかになって来たもので、65人以上の保険会社経営幹部を対象に行なった最近のオンライン調査の結果に基づくものです。

「2001年にセレントが保険業界におけるインターネットの役割に関する調査を開始した当時、米国ではeビジネス関連の主要システムを備えている保険会社は全体の半数にも満たない状況でした。しかし、ここ3年間でインターネットは保険業務にとって不可欠な存在となって来ており、もはや特別視するのではなく、一般的に利用可能なテクノロジーとしてIT環境全体に取り入れる動きが広がり始めています」と、セレントの保険グループマネージャーで上記レポートの著者であるマシュー・ジョセフォウィッツは述べています。

今回のレポートで取り上げた各保険分野の重要トレンドは以下のとおりです。

損害保険 生命保険
1. 損害保険業界のIT投資のうちeビジネス関連投資は5~15%を占める。
2. ほとんどのeビジネス関連システムは自社開発もしくは複数のコンポーネントを統合したもので、パッケージソフトの利用は少ない。
3. 損害保険業界におけるeビジネスは、代理店主導である。
4. 業界内の競争が激化する中、保険会社は代理店向けeビジネス推進による差別化を目指している。
5.収益性が高い代理店を中心に、ポータルサイトの積極的な活用が広がっている。
6. 代理店向けeビジネス導入のメリットは、業務の迅速化とコスト削減にある。
7. 保険契約者向けポータルサイトの設置はもはや業界の常識であり、差別化要因ではなくなっている。
8. 保険契約者向けポータルサイトの利用者はまだ一部に過ぎないが、拡大傾向にある。
9. 保険契約者向けポータルサイトの設置目的は、コスト削減よりもむしろ顧客評価の向上や顧客維持にある。
10. 潜在顧客拡大のためのeビジネス投資は少額である。
1. 生命・医療保険業界のIT投資のうちeビジネス関連投資は3~15%を占める。
2. ほとんどのeビジネス関連システムは自社開発によるもので、パッケージソフトの利用は少ない。
3. eビジネスは代理店主導になりつつあるが、保険契約者向けポータルサイトの重要性が高まり、その利用が拡大傾向にある。
4. 代理店のポータルサイトの活用は拡大しており、成果も上がっている。
5. ポータルサイトを活用している代理店は、主に収益性の高い代理店である。
6. 代理店向けeビジネス導入の目的は、コスト削減とサービスレベルの向上にある。
7. 保険契約者向けポータルサイトの設置は競争上の優位をもたらす。
8. 保険契約者向けポータルサイトの利用者はまだ一部に過ぎないが、富裕顧客層を中心に利用は拡大傾向にある。
9. 保険契約者向けポータルサイトの設置は、コスト削減のみならずブランドイメージやサービスの向上につながる。
10. 潜在顧客拡大のためのeビジネス投資は少額である。

保険業界全体のeビジネス関連IT投資額は現在約16億ドル(約1,800億円)に上るとみられ、今後2年間は年率5%のペースで増加するでしょう。損害保険、生命保険の両分野ともIT予算の大部分は代理店・販売店のシステム開発に向けられていますが、生命保険分野では損害保険分野の2倍近い額が保険契約者向けポータルサイトの開発に投入されています。このことは、生命保険業界では、こうしたポータルサイトの活用をまだ差別化要因として捉える見方が強く、より大きな戦略的メリットを狙っている現状を表しています。

各レポートは、今後2~3年間のeビジネスの展望10項目も指摘しています。そして、保険会社とITプロバイダー其々に向けた戦略のキーポイントを提示して結んでいます。

各レポート共、25以上の図表を含む約35ページから構成されています。

注)米ドルから日本円への換算レートは、2004年8月31日の仲値(東京三菱銀行公表による)を参照