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トルコのクレジットカード市場:囚人のジレンマ

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2008/07/15

Abstract


トルコのクレジットカード市場はここ10年で急成長を遂げ、なお高い成長機会が見込まれます。しかし、トルコ政府は同市場への規制を強化する方針を示し、クレジットカードの金利に上限を設けることを決定しました。

トルコでは過去2年間にクレジットカードの月次金利の上限が引き下げられ、2006年7月の5.72%から2008年6月には4.39%になっています。 政府は先ごろ、月次金利をさらに2.7%まで引き下げる意向を発表しました。今回示された規制はクレジットカード会社の収益性に打撃を与えるとみられ、各 社は競争力を維持するために戦略の再構築を迫られるでしょう。金利が改正されれば、顧客セグメントごとの収益性の内訳が抜本的に変化するとみられます。

トルコの銀行はクレジットカード事業の収益性を維持するためのコスト削減を余儀なくされるほか、顧客管理を強化し、より収益性の高い商品やサービスに顧客を誘導する必要があるでしょう。

「ここ数年、銀行のクレジットカード戦略はもっぱらカード発行枚数を増やすことに集中していました。しかし今後はよりきめ細かなアプローチは避けられず、 顧客セグメントの特定と顧客関係の形成が最大の関心事となるでしょう」とセレント銀行プラクティスのアナリストでレポートの共同執筆者であるぺリン・フィオリナは述べています。

本レポートではまずトルコのクレジットカード市場の概要を示し、主要な規制について解説しています。さらに、現在の競争状況や銀行の収益性に影響を及ぼす 規制の動向を踏まえ、同市場の今後の進展を分析しています。最後に、戦略面の影響を考察し、トルコの銀行が成長を持続するための提言を示しています。具体 的には以下のような戦略が挙げられます。

  • クレジットカード事業の見直し:新たなクレジット商品の管理強化、取引の活性化、新規口座の獲得、手数料体系の修正、コストおよび効率性の見直しなど。
  • 銀行業務のアプローチをより大幅に変革:顧客主導のアプローチを強化、顧客ターゲットおよび顧客維持の枠組みを導入、販売革新および小売業者との提携など。


本レポートは11図と6表を含む24ページで構成されています。