2008年保険会社のCIO/CTO調査: プレッシャー、プライオリティ、プロジェクト およびプラン米国と欧州を比較
Abstract
セレントが米国および欧州保険会社のCIO/CTOを対象に行った年次調査では、欧米とも引き続き新規顧客獲得ソリューションへの投資、コアシステムのアップグレード、業務の合理化などを通じて顧客と代理店の利便性向上に努めていることが明らかになっています。しかし、米国保険会社のCIOは今後1年間の市場軟化による影響に強い懸念を示しています。
セレントの最新レポート「2008年保険会社のCIO/CTO調査:プレッシャー、プライオリティ、プロジェクトおよびプラン米国と欧州を比較」は、2008年に向けた米国および欧州系保険会社の取り組み、プロジェクト、課題および優先順位について比較・分析しています。レポートは2007年末に米国・欧州系保険会社のCIO/CTO43名を対象に行った詳細な調査に基づいており、一般的な優先課題と業務上のプレッシャー、予算と人員配置、プラットフォームおよびシステムの選択肢、サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ(SOA)とWebサービス、アウトソーシング、Web2.0のテクノロジーなどについて有益な情報を提供しています。
2008年の調査では、予想される世界的な景気後退局面でいかに成長を維持するかという課題が特に米国のCIOから多く聞かれました。また、コスト削減を求める業務部門からのプレッシャーを懸念する声も多数上がっています。ただ、米経済の減速による本格的な影響が顕著化するまでは、米国・欧州の保険会社ともIT関連投資のトレンドはセレントによる昨年の調査と変わっていません。すなわち、コアシステムのリプレースとeビジネス関連のプロジェクトが最重要課題となっています。2008年には大手保険会社のIT予算は安定化する見通しですが、中堅保険会社の予算は比較的変動が大きいとみられます。米国・欧州のいずれにおいても、メインフレームからより近代的なアーキテクチャへとシフトする動きが続いています。
「過去の調査と同じく、両地域の最大の違いは、欧州の方が業務のアウトソーシングや外部委託への依存度が高いということです。このことは、両地域の保険会社の社員構成にも表れています。欧州系保険会社は会社の規模のわりにIT部門の社員が比較的少数に抑えられています」 と、セレント保険プラクティスのアナリストで共同執筆者のアシュレー・エバンスは述べています。しかし、今回の調査からみる限り、改めてコスト管理に取り組む米国系保険会社でも、今年はIT部門の社員数が減少する可能性があります。
本レポートは22図と1表を含む30ページで構成されています。